パーツ取付・交換
更新日:2018.07.09 / 掲載日:2018.07.09
安全性向上計画Part.2(2)カメラ一体型バックセンサーに付け替える
ITEM.02 動画画像+10cm単位の距離表示と5段階の警告音で安全性が格段アップ! 故障したバックカメラをカメラ一体型バックセンサーに付け替える
2つの機能が上手く融合されており、使い勝手はよさそう
後方の安全確認を目的としたバックカメラとバックセンサー。「ALLCACAバックカメラダブルレーダー~」はこの2つの機能を1つのボディに収めてしまった、今までありそうでなかった製品だ。
画面内に障害物までの10cm単位の距離も同時に表示と、両機能が上手く融合されており、使い勝手はよさそう。バックカメラが壊れたというクルマがあったため、交換することにした。
さて、モデル車に取り付けられているバックカメラは純正ではなく後付け品だ。かれこれ7年ほど使用しており、さすがに映りが悪くなってきたという。買い替えどきのベストタイミングだった。
ALLCACAバックカメラダブルレーダー探知リアカメラ車載カメラ警報ブザー付小型CMOS高画質防塵防水IP67防水170度広角レンズ12V3IN1●購入価格:2,500円(税込)
取り付け・配線イメージ
カメラの両端にバックセンサーが配置されているため横幅62mm。一般的なサイズのほぼ3倍と、バックカメラとしてはかなり大柄な部類に入る。
ケーブル分岐部がAV端子よりも太い造りとなっている。この部位、テールゲート内に引き込むため、引き込み口はかなり大きく開ける必要があり、別途グロメットを用意する必要がある。
電源の分岐線やAVケーブルはそのまま再利用する
後付けされたバックカメラの配線類はリヤコンビネーションランプ裏にまとめられている。
各種配線の接続ポイントもここにまとまっているため、交換作業は比較的容易。電源の分岐線やフロントへと取り回されているAVケーブルがそのまま再利用できるからだ。後付けパーツを取り付ける時は、このように将来交換することも考慮した取り付けを行うよう努めたい。
さて、バックカメラはゲート中央に取り付けるのが理想だが、中央部にはたいていハンドルがあって設置できないためオフセットすることになる。このため、軽く内側に向ける必要があるが、今回は左右のバックセンサーの検知範囲を均等にすべくナンバープレート取り付け面と平行になるよう取り付けることにした。
[1]トリムを外し既存カメラのハーネスルートを確認
1.まず、故障したバックカメラのハーネス取り回しルートを確認する。
2.テールゲートを開き、ロア・ライニングの周囲にセットされている固定ネジ類をすべて取り外す。
3.ライニング端の隙間から内装剥がしを押し込み、固定クリップを端から順に抉り上げていってロア・ライニングを取り外す。
4/5.テールゲートに引き込まれたカメラケーブルを辿っていくとヒンジアームのカバー内を経由して外に引き出されているため、アームカバーを取り外す。
6/7.ヒンジ穴から引き込まれたカメラハーネスはリヤコンビネーションランプ裏に取り回され、接続ポイントもその周辺にまとめられている。
[2]壊れてしまったカメラを取り外す
1.故障したカメラの電源ハーネスの各接続を切り離し、AV端子部に針金を巻き付ける。
2.ヒンジ穴上部から電源ハーネスを引っぱって端子に巻き付けた針金を引き出し、端子から外して落下しないよう仮留めしておく。
3.ヒンジアーム上部に固定されているゴムブーツ下端を分離。上端のゲートはめ込み部も引き抜いてゴムブーツをフリーにする。
4/5.電源ハーネスを切り離し、ゴムブーツからカメラケーブルを引き抜く。
6/7.テールゲート内の固定を解除してカメラケーブル端をゲート内に引き込み、カメラの固定ナットを外してカメラケーブルごとそっくり引き抜く。
[3]ハーネスが通るサイズに配線穴を広げる
1.ケーブル引き込み口を兼ねたカメラ固定穴のサイズはφ6mm。このままではカメラハーネスのケーブル分岐部を引き込むことができないため、穴サイズを広げる。
2/3.拡大サイズはφ15mm。リーマーを利用して仕上がりサイズを確認しながら広げていく。
4.これでケーブル分岐部もすんなり引き込むことができる。
[4]リヤゲートと平行になるよう取り付け穴を設ける
1.バックカメラは外したカメラの取り付け部周辺に、可能な限り中央よりにセットする。
2.ゲート張り出し面からはみ出すことなく固定できる位置を確認し、カメラの前後方向の中心と重なる位置にナンバー取り付け面と平行な線を引く。
3/4.カメラからブラケットを外してネジ穴が平行線と重なるようあてがい、ピンバイスでφ2mmの下穴を開ける。
[5]カメラをセットして角度を合わせる
1.ブラケットを付属タッピングビスでテールゲートにネジ留め固定する。
2/3.ブラケットにカメラ本体をはめ込んで固定ネジを組み付け、自重で首を振らない程度に軽く締め込んで仮固定する。
4.電源ハーネスを接続し、電源コードを12V電源に接続。AV出力端子をモニターに接続してカメラ映像を確認できる状態にする。
5.モニターで映り具合を確認しながら画角を調整。最適な角度に調整できたところで固定ネジを本締めして固定する。
[6]配線穴にグロメットを組み付ける
1.グロメットは輸入工具店で手に入る。利用したのはストレートのグロメットセット125ピースで、これに入組みされているφ15.5mmがドンピシャ。
2/3.用意したグロメットの中心に穴あけポンチでφ5mmの穴を開け、側面に切り込みを入れる。
4.カメラハーネスをケーブル引き込み口からゲート内に引き込み、グロメットに入れた切り込みを通してケーブルにはめ込む。
5.引き込み口にグロメットを組み付け、カメラハーネスの取り回しを整える。
[7]ブザーを取り付け配線の取り回しを整える
1.テールゲート内に引き込んだカメラハーネスを純正ハーネスに沿わせて固定しつつテールゲートの右上部方向に取り回す。長さが中途半端で、ガラス下端までしか届かないため、接続するケーブル類はここまで取り回してくることにした。
2/3.ブザーはテールゲート上部の空きスペースに設置する。シリコンオフで拭い設置面を脱脂後、両面テープの剥離紙を剥がして貼り付ける。
4/5.ブザーケーブルを既存のハーネスに沿わせて配線引出し口まで取り回し、そこから下方に降ろしてカメラハーネスの接続端子位置まで引き回す。
6.そして、カメラハーネスのブザー端子に接続する。
[8]電源線を延長し各端子を接続する
1/2.付属の電源ケーブルは短く、テールランプまで届かない。このため、0.5sqの平行2線を別途用意して延長した。現物合わせで取り回しに必要な長さを割り出し、ハンダ付けで電源ケーブルに接続する。
3.カメラハーネスの電源接続端子に電源ケーブルを接続。
4.テープを巻いて抜け止め処理する。
5.映像出力端子に付属AVケーブルを接続し、テープを巻いて抜け止め処理をしておく。
6.接続した各ケーブルを束ね、上方に軽く引いて弛みをとりながら既存ハーネスにタイラップで留めつつ引き出し口まで取り回す。
7.ブザーケーブルの余りは引き出し口の直近で束ね直しておく。
[9]電源線とAVケーブルを既存ブーツに通す
1.AVケーブルと電源ケーブルを引き出し口から引き出し、外しておいたゴムブーツの内部にシリコンスプレーをたっぷりスプレーする。
2.ゴムブーツに針金を貫通させる。
3.AVケーブルと電源ケーブルの末端を束ね、針金の引き出し口側を巻き付ける。そして、テープをキッチリ巻いて固定。
4.針金の反対端を引っぱって、ゴムブーツ反対端に引き出す。
5.AVケーブルと電源ケーブルを引っぱって弛みをとり、テールゲート内の取り回しを整える。
6.ブザーケーブルの余りは引き出し口内にそっくり押し込む。
[10]既存の配線ルートから車内に引き込む
1.AVケーブルと電源ケーブルに巻き付けた針金はそのまま、ゴムブーツを元通り組み付ける。
2.純正ハーネス取り回しルートのヒンジ穴にケーブル端に巻いたままにしておいた針金を挿入し、車内側に引き出す。
3.その針金端を引っぱってAVケーブルと電源ケーブルを車内に引き込む。
4/5.コルゲートチューブかぶせて保護し、電源コードにギボシ端子を組み付けて分岐線に接続。AVケーブルをフロントに引き回されているAVケーブルに接続して動作確認する。
6.問題がなければ外したパーツを組み上げて完成。
一般的なバックカメラより障害物までの距離感をつかみやすい!
カメラは広角なわりに歪みは少なく、後方確認はしやすい。
しかも、画面内には障害物までの距離が同時に表示されるため、ガイドラインのみの一般的なバックカメラより障害物までの距離感をつかみやすい。
また、別体のブザーによって警告も発してくれる。その警告音も障害物までの距離に応じて下表のように変化。音だけでも障害物までの距離を十分把握することができる仕様となっている。
この音と数値による距離表示、ガレージのシャッターを障害物に見立てて実測したところ意外に正確で信頼できる。センサーが高い位置にあるため、全高の低い物体には反応しにくいものの十分実用になる。
多機能化を図った場合、どっちつかずに陥りやすいが、目的とするものが共通しているだけに両者の機能を上手く補完し合った便利な製品へと昇華させることに成功している。細部の造り込みにあまさが残るものの、この性能で2000円台という驚きの価格。恐るべしだ。
障害物までの10cm単位の距離表示は、距離に応じて表示色も変化する。また、左右のセンシングは独立して行われており、異物を検出した側は矢印も表示。その矢印も障害物までの距離に応じて表示色と表示数が変化するため、直感的に判断することができる。
提供元:オートメカニック