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故障・修理
更新日:2018.10.05 / 掲載日:2018.10.05

スバルサンバーを懐走仕様! 実践編

SUBARU Sambar  V-KV3[1995]SUBARU Sambar V-KV3[1995]

今年の夏はなんとか動いてくれたエアコンで乗り切ったが、ようやく涼しくなったのでエアコンのメンテにかかることにした。水が出ないエバポレーターも湿度のせいかドバドバ水が出始めた。まだまだ現役だけど、かなりの老齢になってきた我が相棒。今回はダッシュボードを取り外してみる。

ダッシュボードの中には車のほとんどが詰まっている

 原因はよく分かっていないのだが、エアコンは真空引きした後、かなり快調に動いてくれている。この夏の湿気でゴミを克服したのか、エバポレーターのドレーンからもドバドバと水が流れるようになってきた。だが、特にメンテをしたわけでもないので、ゴミや泥は各部に詰まっているはず。ディーラーメンテされていた車であっても、そうそうダッシュボードまわりは外すことはない。空調関係を中心にメンテするためにダッシュボードを外してみることにした。
 実際に整備解説書を見ると割と簡単に書かれている。ダッシュボードそのものはボルト6本で固定されているだけなので、最近の車と違って外すのはそれほど面倒ではなさそうだ。だが、実際やってみると配線類がごちゃごちゃしていてかなり面倒であることが判明。
 サンバーではこのダッシュボードを固定しているフロントパネルの向こう側は「外」なのだ。よくぞここまでダッシュボードの中にいろいろ詰め込んだものだと思われる工夫があった。後付けのユニットの電線類などを整理したり、もちろんダッシュボードの塗装やらにも役に立つということで、今回はなるべく写真を多くして、ダッシュボードの中身とワイヤリングなどを見て分かるようにしておいた。保存版にしておいて、なにかで分解が必要な時に役立てていただければ幸いだ。
 ダッシュボードの取り外しは手順を間違えると知恵の輪状態になってしまうことが多い。また、コストの関係で樹脂パーツが多いために、経年劣化で部品本体が破損する恐れもある。取り外しそのものの作業は簡単だが、慎重さが必要になってくる。
 グローブボックス→オーディオまわり→メーターまわり→ステアリングアッセンブリー→空調関係という工程で、ようやくダッシュボードを外せることになる。どこかで分割されているわけではなく、ダッシュボードは一体型なので、かなり細かく作業をしないと、このデカイものは外れてくれないのだ。
 また、配線類などはどこをどう通してあるかということをメモするなり写真を撮っておかないと、あとで元に戻せなくなったりするので、慎重さが要求される。


ダッシュボードが取り付けられているボルト類は全部で6か所。ウインドウ部分は蓋があるがそれ以外はすべて露出している部分。割と簡単そうに見えるが、このボルトに行き着くまでの道のりは長い。

まずはグローブボックス取り外しが最初のステップとなる。6か所のネジをすべて取り外す。奥のボックスが先に外す部分。

この個体の空調関係はカルソニック製だった。

サンバーにはカルソニックとヂーゼル機器の2種類が存在するので、パーツ発注は要注意。

樹脂パーツはハメ込まれているので、ちょっと力を加えて矢印の方向に押したり、ツメがあったりするので、破損しないように。

ブレーキリザーバータンクのカバーを外し、タンクを固定しているネジを外す。

スタッビドライバーがいい。その後、右側部分を外す。

オーディオはまずカバー外しから。純正であればツメが上部に2か所ある。折れるので注意。本体は4か所ネジどめされて、下のほうはかなり奥にあるので、ロングドライバーとマグネットが有効。

本体は4か所ネジどめされて、下のほうはかなり奥にあるので、ロングドライバーとマグネットが有効。

ステアリングコラムを固定している部分が部分は下を先に外し、上の2つはエクステンションを入れる。12ミリのソケットを使用。

ここまできたら、ダッシュボードを固定している6か所のボルトを外していく。

ステアリングコラムにあるIGコネクターが外れやすい。

この段階でメーターを外す。カバーを外して、4か所のボルトを抜けばメーターが動くので、カプラーが見えるまで引き出して外す。

カプラーの真ん中がメーターワイヤーになる。心配なら、外した直後に写真を撮っておくのがいい。

上の部分がメーターまわりの裏側に刺さっている。薄い黄色と黄色の小さなカプラーが電線類。ダッシュボードを外すと分からなくなる。

空調関係のレバーはこの位置がワイヤーを外しやすい。レバーを動かしてどこに繋がっているか確認し、そのあとレバーをこの位置にする。

グローブボックス下にある外気内気循環用の可動蓋。びっちり埃が堆積しているのが分かる。触るのも嫌になるくらいだった。

ワイヤーはこの部分のカムに繋がれているが、樹脂がもろくなっているのでカムごと外す。丸部分のバネを押すとアウターが外れる。

ダッシュボード下から灰皿の奥を覗くと分かるが、ここに固定ボルトがはさまれている。この個体は取り付けられていなかった。

ワイヤーが全部外れるとダッシュボードは動くので手前に引き、白い電装コネクターを外すとガバッと取れる。ちょっと上に抜く。割と軽い。

ダッシュボードを外すとワイパーアームなどが見えてくる。まぁこの詰まった中身のすぐ先は「外」ということ。よくもここまで詰め込んである。

単体だと結構ねじれてしまうが、まだ空調関係ホースや、センター部分の金属ステーがあるのでグニャグニャではない。引きずり厳禁!

裏側の丸の部分に下側のボルトがある。NVHを考えたフェルトなどはなく、いかにも商用車ベースのものだ。とてもシンプルな構造だ。



分解ギャラリー
各部の構造をよく見ておくと、電気関係諸々がここにぎっしり詰め込まれているのが分かる。しっかり頭の中に叩き込んでおくといい。

キャブ車でありながらCVTコントロールのためのコンピュータがここに収められている。その上がワイパーモーター。小さなリレーも見える。

空調レバーは樹脂製で、単体で部品はありそうだ。どちらもツメが折れると致命傷。手で動かすとなにがどう動いているかがよく分かる。

メーターハーネス部分。ステアリングコラムの奥にはブレーキマスターバックがあるので、ブレーキまわりのメンテはダッシュボード外しとなる。



ダッシュボード側
電線固定まわりやオーディオスピーカーなどの固定方法も分かる。今時珍しい楕円スピーカーもバッフルを入れてチューニングしたい



分解ギャラリーはダッシュボード脱着の保存版にしてほしい

 最後のページには写真がずらりと並んでいるが、ダッシュボードを分解したら、どこになにがあるかを把握しておかないと、組み込む際にどこかが浮いたり取り付け方法が分からなくなったりする。もし自車を分解したら、必ずいろいろな部分の構造を写真で残しておくことをおすすめする。(特にダッシュボード塗装になると、全部外してしまう)。ミニマムサイズの軽自動車だから分解しやすいが、知恵の輪状態の構造を理解して、設計者を賞賛するのもいいが、きちんと元に戻すためのバイブルとしても活用してほしい。
 実は今回の取材のためにバラしたものの、家人が車を使いたいということで、またすぐに元に戻した。つまり次号で空調関係をバラす際はまた一からやらなければならないので、自分にとっても役に立つというわけだ(笑)。
 今回は外すボルト類がとても多く、必ず自分なりの方法で、分類しておいてほしい。上下左右などトレイを分けておくと組み立てしやすくなる。スバルは黒メッキボルトは見えるところに、白メッキボルトは隠れてしまう部分に採用されている。樹脂パーツの劣化もかなり激しくなっていたので、丁寧さがバラシの重要ポイントになった。
 今回のダッシュボードの脱着作業で一番大変だったのは、スピードメーターワイヤーの取り付け。外す時はいとも簡単に抜けるが、入れるのには手のアクロバットが必要。しかも、ステアリングコラムを結構動かしたので、イグニッションキーのカプラーまで外れて始動不能に陥ったという、全く想定外のことが起きた。これは次号にて!



提供元:オートメカニック


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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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