故障・修理
更新日:2018.10.05 / 掲載日:2018.10.05
スバルサンバーを懐走仕様! 実践編
今年の夏はなんとか動いてくれたエアコンで乗り切ったが、ようやく涼しくなったのでエアコンのメンテにかかることにした。水が出ないエバポレーターも湿度のせいかドバドバ水が出始めた。まだまだ現役だけど、かなりの老齢になってきた我が相棒。今回はダッシュボードを取り外してみる。
ダッシュボードの中には車のほとんどが詰まっている
原因はよく分かっていないのだが、エアコンは真空引きした後、かなり快調に動いてくれている。この夏の湿気でゴミを克服したのか、エバポレーターのドレーンからもドバドバと水が流れるようになってきた。だが、特にメンテをしたわけでもないので、ゴミや泥は各部に詰まっているはず。ディーラーメンテされていた車であっても、そうそうダッシュボードまわりは外すことはない。空調関係を中心にメンテするためにダッシュボードを外してみることにした。
実際に整備解説書を見ると割と簡単に書かれている。ダッシュボードそのものはボルト6本で固定されているだけなので、最近の車と違って外すのはそれほど面倒ではなさそうだ。だが、実際やってみると配線類がごちゃごちゃしていてかなり面倒であることが判明。
サンバーではこのダッシュボードを固定しているフロントパネルの向こう側は「外」なのだ。よくぞここまでダッシュボードの中にいろいろ詰め込んだものだと思われる工夫があった。後付けのユニットの電線類などを整理したり、もちろんダッシュボードの塗装やらにも役に立つということで、今回はなるべく写真を多くして、ダッシュボードの中身とワイヤリングなどを見て分かるようにしておいた。保存版にしておいて、なにかで分解が必要な時に役立てていただければ幸いだ。
ダッシュボードの取り外しは手順を間違えると知恵の輪状態になってしまうことが多い。また、コストの関係で樹脂パーツが多いために、経年劣化で部品本体が破損する恐れもある。取り外しそのものの作業は簡単だが、慎重さが必要になってくる。
グローブボックス→オーディオまわり→メーターまわり→ステアリングアッセンブリー→空調関係という工程で、ようやくダッシュボードを外せることになる。どこかで分割されているわけではなく、ダッシュボードは一体型なので、かなり細かく作業をしないと、このデカイものは外れてくれないのだ。
また、配線類などはどこをどう通してあるかということをメモするなり写真を撮っておかないと、あとで元に戻せなくなったりするので、慎重さが要求される。
最後のページには写真がずらりと並んでいるが、ダッシュボードを分解したら、どこになにがあるかを把握しておかないと、組み込む際にどこかが浮いたり取り付け方法が分からなくなったりする。もし自車を分解したら、必ずいろいろな部分の構造を写真で残しておくことをおすすめする。(特にダッシュボード塗装になると、全部外してしまう)。ミニマムサイズの軽自動車だから分解しやすいが、知恵の輪状態の構造を理解して、設計者を賞賛するのもいいが、きちんと元に戻すためのバイブルとしても活用してほしい。
実は今回の取材のためにバラしたものの、家人が車を使いたいということで、またすぐに元に戻した。つまり次号で空調関係をバラす際はまた一からやらなければならないので、自分にとっても役に立つというわけだ(笑)。
今回は外すボルト類がとても多く、必ず自分なりの方法で、分類しておいてほしい。上下左右などトレイを分けておくと組み立てしやすくなる。スバルは黒メッキボルトは見えるところに、白メッキボルトは隠れてしまう部分に採用されている。樹脂パーツの劣化もかなり激しくなっていたので、丁寧さがバラシの重要ポイントになった。
今回のダッシュボードの脱着作業で一番大変だったのは、スピードメーターワイヤーの取り付け。外す時はいとも簡単に抜けるが、入れるのには手のアクロバットが必要。しかも、ステアリングコラムを結構動かしたので、イグニッションキーのカプラーまで外れて始動不能に陥ったという、全く想定外のことが起きた。これは次号にて!
提供元:オートメカニック