オイル交換
更新日:2022.05.17 / 掲載日:2022.05.17
車のエンジンオイル交換の時期や頻度、料金まとめ
オイル交換が必要なことはわかっていても、交換時期の見極めは案外難しいものです。交換時期のチェック方法を把握しておけば、安心して車を使用できるでしょう。
今回の記事ではエンジンのオイル交換が必要な理由から交換時期の目安・タイミング、料金相場や頼み方まで解説します。読めばオイル交換に関する不安が解消されるはずです。カーライフの質の向上にお役立てください。
お住まいの地域のエンジンオイルの交換料金を知りたい方は、こちら↓で簡単に比較できます。
オイル交換をしないとどうなるのか?
エンジンオイル交換をせずに放置しておくと、最終的にはエンジンが故障する可能性があります。
エンジン内部では、燃料の不完全燃焼によってスラッジと呼ばれる燃えカスが発生します。スラッジはオイル交換を定期的におこなっていればオイルと一緒に除去されるので、エンジン内部で詰まったりすることはありません。
スラッジがエンジン内部に蓄積するとエンジンオイルの循環を妨げるため、最悪の場合エンジンの焼き付きを起こしてしまい、車両火災を起こしてしまう危険性もあります。
エンジンオイルを交換しないとエンジンの故障につながるだけでなく、思わぬトラブルを発生させてしまう要因にもなるのです。定期的にエンジンオイルの状態を確認し、適切に交換するようにしましょう。
エンジンオイルの交換時期の目安・タイミング
オイル交換の時期はどのようにして確認できるのでしょうか?目安やタイミングをコンディション・車の種類ごとに解説します。
車の種類ごとの交換時期の違い
オイル交換の一般的な交換時期は走行距離か使用期間で判断できます。車の種類ごとに目安をお伝えしますので、使用車に合わせてご確認ください。
≪軽自動車≫
・ターボ車:5,000kmまたは6ヶ月
・普通車:10,000kmまたは6ヶ月
≪ガソリン車≫
・ターボ車:5,000kmまたは6ヶ月
・普通車:15,000kmまたは1年
≪ディーゼル車≫
・5,000km~10,000km
ノーマルコンディションの場合
一定速度で走行することが前提の、標準的な使用や平坦な道路での走行は、「ノーマルコンディション」と呼ばれます。ノーマルコンディションの場合、上記の一般的な交換時期を目安にして問題ありません。
シビアコンディションの場合
車にとってノーマルコンディションより厳しい使用状況は「シビアコンディション」と呼ばれ、一般的にオイルの劣化が早めです。
例えば、エンジンやオイルが十分温まっていない状態での低速走行や短距離走行、登り坂走行やホコリが多い道路走行、渋滞など、使用環境次第で車はシビアコンディションに置かれます。
シビアコンディションの場合、車の部品・消耗品の負担が大きく、走行距離・使用期間に達していなくても、標準時期より早めの交換が必要です。
交換時期を早めたほうがよい場合
自分の使用状況が「ノーマルコンディション」より「シビアコンディション」に近い場合、一般的な目安よりも早めのタイミングでオイルを交換しましょう。以下のような状況に当てはまる方は、注意してください。
- ・高温、低温、高湿度の環境下での使用が多い
- ・砂、ホコリのある悪路走行が多い
- ・坂道走行が多い
- ・高速走行が多い
- ・短い距離の移動が多い
滅多に乗らない車だけど、交換は必要なの?
走行距離がオイル交換の目安となるのなら、“私の車は週末用だし、滅多に遠乗りしない、走行距離も少ないのだからエンジンオイルも長持ちするのでは?”と思う方も多いかもしれません。
残念ながら、エンジンオイルは経年劣化します。「乗った距離に関係なく、オイル交換しなければならない間隔がある」ということです。さらに近場にしか行かない場合、エンジンが温まらないうちにエンジンを切ってしまうという状況で、エンジンオイルにとってはよくありません。
エンジンオイルは、車を使った・使わなかったに関係なく、月日が経ると徐々に劣化していき、性能が悪くなっていきます。2年に1回車検のときだけのオイル交換では不十分です。オイル交換は「1年に1回」おこないましょう。
オイル交換にかかる値段・料金の相場
オイル交換の時期・タイミングは以上のとおりですが、最低でも1年に1回の交換となると、多くの方は費用が気になるはずです。
以下、オイル交換の作業の内容や料金の目安、排気量ごとの料金の違いなどをまとめましたので、参考にしてください。
オイル交換の作業内容
オイル交換は以下の手順でおこないます。
1.オイルキャップ・ゲージを緩める
2.オイルパン下部のドレンボルトの確認
3.ドレンボルトから古いオイルを抜く
4.ドレンボルトを締める
5.新しいオイルを入れる
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オイルの必要量
オイル交換はオイルをいったんゼロにしてから注ぎます。必要なオイル量は、普通車の場合4~5L、軽自動車なら2.5~3Lほどです。したがって、選んだオイルの単価と量、車の種類ごとの工賃をプラスするとオイル交換費用になります。
オイルの種類と価格に関しては、「エンジンオイルの種類・選び方」の項で詳しく解説しています。
交換料金の相場【ガソリン車の場合】
必要なオイル量は車の排気量が多くなるほど増えるため、排気量と比例してオイル交換料金も高くなります。軽自動車の場合は下記一覧の目安よりも安くなるでしょう。
交換するオイルのメーカー・種類などによっても値段は変化します。どこに依頼するかによっても料金は違ってきますので、詳細は店舗に問い合わせましょう。
排気量 | 料金相場 |
---|---|
1600cc以下 | 4,000~7,000円ほど |
1601~2000cc | 4,000~8,000円ほど |
2001~2500cc | 5,000~9,000円ほど |
2501cc以上 | 5,000~10,000円ほど |
お得にオイル交換を依頼する方法
エンジンオイル交換の費用は、お住まいの地域・お店、選んだオイルによって変わります。さらに車の総排気量に応じて必要なオイル量が増えるため、値段が倍近くになる場合もありえます。お店の種類ごとのお得な面・一般的な価格は、以下を参考にしてください。
・ディーラー
料金は3,000~10,000円とほかの依頼先と比較すると高めの傾向ですが、ディーラーならではのサービスと信頼感があります。オイル・パーツは純正品を使用するため割高です。
・ガソリンスタンド
料金は2,000~4,000円ほど。ガソリンスタンドは全国各地にあり、営業時間も長めで急ぎのときにも気軽にオイル交換できます。
・カー用品店
取り扱っているオイルの種類の豊富さが魅力のカー用品店の交換料金は、2,000~7,000円ほどです。スタッフと相談しながらオイルを選ぶこともできるでしょう。
カー用品店ではさまざまな車のパーツも販売されており、タイヤ交換・各種パーツ取り付けの際にオイル交換依頼も可能で、効率よくカーメンテナンスができます。
お住まいの地域の詳しい金額はこちら↓で比較できます。
カー用品店の会員であれば作業料金が割安になるケースもあり、上手に活用すれば工賃の削減が可能でしょう。クーポンを獲得して利用するのもおすすめです。
オイル交換のオプション
オイル交換の際に同時にお願いしておくとよいオプションは、「オイルフィルター交換」と「エンジンフラッシング」です。
・オイルフィルター交換
エンジンオイルが吸着したスラッジ・金属片などの汚れをろ過剤で回収するのがオイルフィルターで、エンジンオイルをクリーンな状態に維持してくれる効果が期待できます。オイル交換時に一緒に交換するとよいでしょう。フィルターの価格は純正品で1,000~2,000円ほどです。
・エンジンフラッシング
エンジンフラッシングはエンジン内部の洗浄で、車のコンディションの維持に効果が期待できます。基本的にエンジンオイル交換の際に専用洗浄剤などを使って作業します。
エンジンフラッシングのやり方・効果・費用はこちら↓で詳しく解説されています。
【エンジンフラッシング】フラッシングのやり方から効果までを徹底解説!
オイル交換を依頼する際の流れ・作業時間
希望日に少ない待ち時間でオイル交換したいなら、店舗に予約しましょう。オイル交換の予約は、電話予約はもちろん、インターネット上で予約できることころも多く、隙間時間にサッと予約できます。
事前に料金を確認しておく
交換料金は工賃+使用オイル代です。費用に関して不安があれば、前もって依頼予定先に料金を確認してください。
作業時間
予約日に依頼店舗でオイルを交換してもらいます。作業時間は、15~30分程度で、オイルフィルター交換・エンジンフラッシングなどのオプションもお願いすればその分、作業時間がプラスされます。
予約がない場合、時期・曜日・時間帯によっては混雑している可能性もあり、待ち時間が発生するかもしれません。短時間に済ませたいなら、予約してからお店に向かうのが賢明です。
オイル交換を自分でやる方法
自分でオイル交換をおこなう場合、オイルの抜き方には「上抜き」と「下抜き」の2つのやり方があります。それぞれの手順と廃油の処理方法を解説します。
上抜きの場合の手順
上抜きは、ボンネットを開けるだけで作業できます。作業時間が短く、作業自体も簡易で、体力に自信のない方でも問題ないでしょう。
ただし、上抜きには専用器具「オイルチェンジャー」が必要で、1年に1度のオイル交換には無駄と感じるかもしれません。また、一部車種では上抜きが困難な場合があります。
ほとんどの車種はオイルフィルター交換時にはジャッキアップする必要があり、オイル交換時にオイルフィルターも交換する場合、上抜きはNGです。
下抜きの場合の手順
「下抜き」は車をジャッキアップしてオイルを抜き出すやり方です。ジャッキアップには若干の危険性がありますし、ボルトの締め方の不備などオイル漏れの可能性もゼロではありません。もし技術に不安があれば、専門業者に依頼を検討しましょう。
下抜きの手順は以下のようになります。
1.エンジンを暖機する
オイルが冷えていると抜き取りに時間がかかるため、数分間アイドリングしてオイルの粘度を下げると交換がスムーズです。出てくるオイルが高温にならないよう、暖めすぎないようにしてください。暖機後はエンジンを切って作業します。
2.ジャッキアップする
ジャッキかスロープで車を持ち上げます。
3.フィラーキャップを外す
ボンネットを開け、オイルフィラーキャップを外して古いエンジンオイルの排出を早めます。
4.ドレンボルトを外す
ドレンボルトを外し車体の下に置いた廃油処理箱で古いオイルを受けます。
5.ドレンボルトを取り付ける
ドレンワッシャーを交換してからドレンボルトを取り付け、車体をもとに戻します。
6.オイルを入れる
オイルフィラーキャップを外し、漏斗(ろうと、じょうご)かオイルジョッキを使ってオイルを入れます。
7.オイルの量を確認する
オイルレベルゲージでエンジンオイルが適正量入っているか確認します。
廃油の処理法
抜き取った古いエンジンオイルは、そのまま捨てることはできません。オイル交換の際に取り出した廃油の処理方法には、大きく分けると以下の3つがあります。
・廃油処理箱
廃油を処理する専用の箱をホームセンターなどで購入します。廃油処理箱は、箱の中にオイルを凝固させる仕組みが施されており、廃オイルを固めます。
固まった廃油は、ゴミとして処分できる場合と、産業廃棄物扱いになる場合があるため、抜き出す前に住所がある自治体に確認しましょう。
・エンジンオイルの購入店舗に引き渡す
エンジンオイルを購入したレシートを持って行けば、廃油を引き取ってくれる可能性があります。ただし、無料か有料かは店舗によって異なるので確認が必要です。
・ガソリンスタンドに持ち込む
缶やタンクに入れた廃油をガソリンスタンドに持ち込むと処分してくれます。無料で引き取りしてくれる場合と料金がかかるケースがあるので、持ち込む前にお店に連絡して確認しましょう。
エンジンオイルの種類・選び方
定期的な交換が推奨されるエンジンオイルですが、いざ自分で交換しようと思うとエンジンオイルの種類が豊富にあり、どれを選んでよいのかイマイチわからない方も少なくないでしょう。
エンジンオイルは高価なものを選べばよいのでなく、品質や粘度など愛車にとって最適な規格のものを選ばないとエンジンに不具合を生じる可能性もあります。以下では、エンジンオイルの種類や選び方などについて、わかりやすく解説します。
ベースオイルの種類
オイルの性能面を語るうえで大切な要素がベースオイルの種類です。ベースオイルは、フル合成油・セミ合成油・高Ⅵ鉱油・鉱物油の4種類に分かれています。
・フル合成油
不必要な成分を排除し、エンジンの性能を高める目的で化学的に合成させたオイルです。最も高価なオイルで、耐久性に優れ、燃費面でも効果が期待できます。オイルの流動性がよく、冬場の使用も問題なく、レース出場車やスポーツカーに乗る方が愛用しているとか。100%化学合成油とも呼ばれています。
・セミ合成油
粘度性と低温性を高Ⅵ鉱油よりも向上させ、フル合成油に近い性能を目指したオイルで、部分合成油とも呼ばれています。パフォーマンス面でフル合成油には劣りますが、鉱物油より性能がよくフル合成油よりリーズナブルな価格設定が魅力です。鉱物油に20%以上の化学合成油を混ぜ合わせることで揮発性を高めています。
・高Ⅵ鉱油
現在、普及しているベースオイルのなかで最も一般的な種類です。鉱物油と比べると粘度特性を向上させている点が特徴です。
・鉱物油
4種類のなかで最も安価なオイルで、原油を蒸留させることで、不要な物質や有害な物質を取り除いて精製されています。粘度特性・流動性・酸化安定性などの面は優れているとはいえませんが、安価なので最も手軽に手に入るオイルです。
エンジンオイルの品質規格
エンジンオイルの品質(グレード)を表す規格は2種類あります。
・API
American Petroleum Instituteの略称で日本語ではアメリカ石油協会と呼ばれています。ガソリン車用のエンジンオイルのグレードとしてはSN・SM・SL・SJとあり、SNが一番高性能であり、SJが一番性能の低いものになります。
その分類は、燃費・低温性・高温性・シール適合性・高温酸化対策・触媒被毒対策の6項目の評価で決まります。
・ILSAC
international Lubricant Standardization and America Committeeの略称で、日本では国際潤滑油標準化認証委員会と呼ばれています。日本とアメリカ2か国の自動車工業会が定める統一規格で、従来のAPI規格に燃焼効率性を加えたものです。
エンジンオイルの粘度
エンジンオイルの粘度を表す規格に全世界統一の規格はありませんが、アメリカのSAE(米国自動車技術者協会)が定めた基準を使うのが一般的で、日本でもこちらの規格のものが流通しています。
5W-20、10W-20のように、左側に数字とW右側に数字と、2つの組み合わせで表記されているのが特徴です。Wは冬(winter)の意味で、低温時の粘度を表しており、数字が低いほうが寒くても硬くなりにくいことになります。例えば5W-20、10W-20の2つを比べると、冬の走行に適しているのは5W-20になります。
右側の数字は高温での粘度性を示しており、数字が大きいと硬くなる、つまり暑さに対する強さを示しています。左側の数字が低く、右側の数字が大きいオイルは冬と夏場両方の季節に対応できる高性能なオイルとなるわけです。
エンジンオイル交換に関するQ&A
エンジンオイル交換に関してよくある質問は、以下のとおりです。基本的な疑問・不安は解決しておきましょう。
エンジンオイル代は別途必要?
エンジンオイルの交換工賃とオイルの費用は別です。工賃は交換作業にかかる費用で、一方エンジンオイルは性能・粘度・ベースオイルによって単価が変わり、必要オイル量は車の排気量が多くなるほど増えます。
車検の時期だけの交換(2年に一回)でも大丈夫か?
エンジンオイルは、車の使用頻度に関わらず時間の経過とともに少しずつ劣化し、性能が低下していきます。2年に1度車検のときだけオイルを交換するのではなく、最低でも「1年に1回のオイル交換」を目安にしましょう。
劣化の判断はどうやってする?
オイル交換の目安は「車の種類ごとの交換時期の違い」の項で紹介していますが、オイル交換は早めのほうが安心です。車の使用回数が多い方や使用環境がシビアコンディションの方は、目安時期よりも早くオイルを交換したほうがよいでしょう。
セルフ交換のメリット・デメリットは?
自分でオイルを交換するメリットとデメリットは、以下のとおりです。デメリットのほうが多いと感じたら。オイル交換は整備工場・カー用品店・ガソリンスタンド・ディーラーにお願いしましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
作業工賃が発生しない 自分でエンジンオイルが選べる 自分の車の状態が把握できる |
車体の下に入り込む必要がある ツールが必要 ケガのリスクがある 交換が適切でないとトラブルの原因になる |
オイルフィルターも一緒に交換すべき?
オイルフィルターはエンジンオイルのコンディション維持だけでなく、エンジン自体のコンディションの維持にも重要な役割を果たすパーツです。オイル交換時に一緒に交換しておくのがよいでしょう。
まとめ
エンジンオイルを交換しないと、エンジンの故障だけでなくそれ以上のトラブルにつながるリスクもあります。エンジンオイルは適切な時期に交換しましょう。
使用環境・車種ごとに交換時期の目安・タイミングは違います。車検のときだけでなく最低でも1年に1度は交換しましょう。DIYなら工賃の節約ができますがデメリットに注意してください。
お店ごとの料金を比較し、クーポンなどをうまく使えばお得に交換できるでしょう。
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