車検[2019.05.14 UP]

ユーザー車検とは?メリット・デメリットや必要書類、流れを解説

ユーザー車検とは?メリット・デメリットや必要書類、流れを解説

車検にはある程度まとまったお金が必要なので、車検の時期が近づくと気が重い方も多いでしょう。そんな方に検討していただきたいのが、自ら車検を通す「ユーザー車検」です。業者に依頼しないので、その分安価に車検を済ますことが可能です。ただし、安くなるとは言え当然その分、自分で行わなければいけないことも発生します。今回は、ユーザー車検のメリット・デメリット、費用や必要な準備・書類に関する情報をまとめました。また、予約方法や車検当日の流れ、不合格になった場合の対処法もお伝えします。ユーザー車検について不安感を持っている方は、これを読んでできそうかどうかチェックし、心配なようであれば業者への依頼を検討するとよいでしょう。

ユーザー車検とは

ユーザー車検とは

公道で車を運転する場合、車検を取得する必要があります。初回車検は新車購入してから3年後、その後は2年ごとに車検を受けなければいけません。車検は、ディーラーや整備工場等の車検業者に依頼するのが一般的です。ただ、車検をディーラーや整備工場などに依頼すると、手数料が発生します。一方、ユーザー車検は、車検を業者に依頼せず、自分で行うものです。予約をすれば全国の運輸支局でユーザー車検を受けることができます。ユーザー車検は、運輸支局等へ車を持ち込む時間がないと難しく、また、車の点検・整備に関する専門的知識が必要なこともあり、これまで一般的ではなく、現在も業者車検が主流であることに変わりはありません。ただし、近年はインターネットでユーザー車検に関する情報収集ができる環境が整ってきており、ユーザー車検に関する書籍も多く発売されるようになり、点検・整備に関するノウハウ入手のハードルはグンと下がり、誰もが最新情報を簡単に把握できるようになりました。そのため、ユーザー車検は以前とは比較にならないくらい注目を浴びるようになったのです。

ユーザー車検のメリット・デメリット

ユーザー車検のメリット・デメリット

どのようなことにもメリットがあればデメリットもあります。「車検が安くなるなら!」と言って安易にユーザー車検に飛びつくと、後から後悔するかもしれません。メリット・デメリット両面を比較し、自分にとって得策かどうかを検討してからユーザー車検を利用するかどうか決めるのがおすすめです。

ユーザー車検のメリット

車検費用が節約できる

業者に依頼した際の代行費用が発生しませんから、トータル1万円~数万円程度安くなることもあります。

自分の車に詳しくなる

車検業者に任せていた場合と違い、自分の車に詳しくなり、車の状態の把握もしやすくなるでしょう。

車の税金・保険料に関して理解できる

車検の際に必要な税金・保険も自ら対応することになりますから、当然これらのことに関してある程度の知識が身に付くでしょう。

車検は車を所有している限り続くので経験を重ねて容易になる

慣れない間は手こずるかもしれませんが、車検の回数を重ねるごとに手際が良くなっていくことが期待できます。

ユーザー車検のデメリット

運輸支局・軽自動車協会に車を持ち込む時間帯は限定される

車検のために車を持ち込む時間帯は平日の日中帯に限られていますので、この時間を確保するのが困難な方にユーザー車検は厳しいでしょう。

ある程度の時間・手間が必要

一連の流れを理解して準備・手続きを進めるためには、ある程度の手間を要します。そのような時間を作れない方には向いていないかもしれません。

代車がない

場合によっては車検に通るために整備することもあるでしょう。その期間、車を動かせる状態に無くても代車は無いので、車を使う用事がある場合は困るかもしれません。

24ヶ月点検ができないので、別途整備費用がかかる

車検は、公道を走るために、安全面・環境面などが保安基準に適しているかどうかの検査です。一方、法定24ヶ月点検は、車の故障を防ぐための定期点検で、エンジンやブレーキなどに関して、それぞれに決められた検査を行います。点検は専門知識・専門工具が必要で、ユーザーが自ら行うのが難しい内容です。

検査で不適合箇所があると追加費用のリスク

検査が通らなかった場合、追加で費用がかかる可能性があります。

検査場の混雑で予約が取りにくい場合がある

ユーザー車検は普通車も軽自動車も予約制です。特に年度末などは希望する日時が埋まっていて予約が取れない可能性もあります。

ディーラー車検とどっちがお得?

費用面で魅力があるユーザー車検に対して、「費用が高い」という印象が強いのがディーラー車検です。実際、数ある車検方法の中でも割高になるケースが多いのは否定できません。ただし、ディーラーは自社が販売する車について最も多くの情報を持ち、ノウハウが蓄積されているのも事実です。車のコンディションが良好に保たれる可能性が高く、その点を重視したい方はディーラー車検が良いでしょう。

ユーザー車検の費用はどれくらい?

ユーザー車検の費用はどれくらい?

では、ユーザー車検の費用の内訳を確認し、実際どの部分が安くなるのか見てみましょう。

法定費用はディーラー車検と変わらない

車検の法定費用とは以下のもので、どこで車検を受けても発生する費用です。

自賠責保険

正式名称は自動車損害賠償責任保険です。対人に限定して損害補償するもので、車を持っている場合、必ず加入義務があります。

自動車重量税

車の重量によって決まる税金です。車種によってはエコカー減税制度で減額されます。

印紙代

登録・検査手数料です。

基本料金はユーザー車検なら抑えられる

車検の基本料金として設定されているのは、検査・登録代行料と点検費用等です。整備の追加費用は、車検を通すための必要最低限のものから、かなりしっかりした整備まで、その内容は幅広いです。どこまでの整備・点検を求めるか、どれくらいの予算を考えているかによって内容が決まります。また、車の状態や車種・車検業者・地域によっても差があります。業者を通さないユーザー車検なら、この基本料金の部分を抑えることができます。

ユーザー車検でかかる総額の目安

ユーザー車検は、事前に自分で検査項目をチェックし、必要な場合は部品交換を済ませて検査場へ持ち込みます。業者に依頼した場合、車検基本料の相場は15,000~30,000円程度です。ユーザー車検であればこの費用は抑えられますので、業者に持ち込む車検よりも当然費用は安くなります。ディーラー等の車検業者に依頼するときに発生する点検・整備費用および代行手数料などがないので、総額で数万円単位での節約が可能な場合もあります。

ユーザー車検を受ける前にやっておくべきメンテナンス

ユーザー車検を受ける前にやっておくべきメンテナンス

ユーザー車検は、受ける前に自分でメンテナンスを行う必要があります。その内容を確認していきましょう。

タイヤの溝の残量、亀裂、ひび割れ

溝の残りの高さ、亀裂・ひび割れがないか確認します。溝は、一番減っているところを測定して1.6ミリ以上残っている必要があります。亀裂やひび割れの有無もチェックしましょう。溝が1.6ミリに満たなかったり、亀裂・ひび割れがあったりする場合、タイヤを交換する必要があります。車体からタイヤが1cm、ホイールが若干でもはみ出していると不正改造車とされ、整備命令が発令される場合がありますので、ご注意ください。

※整備命令とは?

車が保安基準に適合しなくなる恐れがある状態や不適合な状態にある時、その車の使用者に整備実施を命ずるものです。これに従わないと、罰則・罰金が科せられます。

ガラスのヒビや傷

フロントガラスにヒビや損傷などがないか確認します。ヒビ・損傷がある場合は補修するか交換します。フロントガラス・側面ガラス(運転席より後方は除く)に着色フィルムが貼られていると不正改造車となりますので、注意が必要です。

灯火装置の点灯具合

外装の灯火装置(ヘッドライト・テールランプ・ブレーキランプ・バックランプ・ナンバー灯・ウインカー等)が点灯しているかを確認します。切れている場合、電球を交換します。電球を覆うレンズが破損して光が漏れている場合、レンズ自体を交換する必要があります。光が漏れていない程度の損傷・ヒビであれば補修で対応可能です。また、保安基準から外れた灯火色が装着されていると、不正改造車と判断される可能性があります。

シートベルトなどの内装の状態

シートベルト、ハンドルのラッパマーク、ギアパターン(シフトレバーのP・R・N・Dなどのマーク)の有無、取り付け具合を確認します。

メーター周辺

シートベルト警告灯・エアバッグ警告灯などの警告表示灯が点灯していないかを確認しましょう。点灯している場合、接触不良によるものか、その部分自体の故障か確認の上で修理を行います。

マフラーの排気漏れ

マフラーからの排気漏れがないかを目視で確認します。空ぶかしをして、漏れの有無を音からもチェックしましょう。排気漏れがある場合、補修剤で補修するか部品交換が必要です。

ホーン(警音器)が鳴るかどうか

ホーンを押し、警告音がキチンと鳴るかどうかをチェックしましょう。

ワイパー・ウィンドウォッシャーの動作状況

ウィンドウォッシャー液を出してワイパーを動かし、正常に動いて機能するか確認しましょう。

発炎筒(発煙筒)の有無

発炎筒の有無、使用期限内であること、取り付け具合を確認します。

フロントガラスのステッカー類の有無

フロントガラス・側面ガラス(運転席より後方は除く)に、検査標章・点検ステッカー以外のシールを貼っている場合は、剥がしておきます。

ドライブシャフトブーツ

タイヤ内側と車体中央に付いている、蛇腹状のゴム部品がドライブシャフトブーツです。前輪駆動車の場合、フロントタイヤ内側と車体の中央側、後輪駆動の場合はリアタイヤ内側と車体の中央側にあります。ハンドルをめいいっぱい切って、タイヤ内側・車体中央をのぞき込み、ドライブシャフトブーツに損傷や破けがないか確認します。部品は左右にありますから、ハンドルを左右に切ってチェックする必要があります。

ステアリングラックブーツ

ステアリングラックブーツは、車体の中央側に付いている蛇腹状のゴム部品です。ハンドルをめいいっぱい切ってフロントタイヤの隙間から車体中央側をのぞき込み、ステアリングラックブーツに損傷や破けなどがないか確認します。こちらも左右に付いていますから、ハンドルを左右交互に切ってチェックしましょう。

24カ月法定点検整備(前整備・後整備)とは?

ディーラーや整備工場などの車検業者へ車検を依頼する場合、多くの方は車検と車検前の事前整備(定期点検)をセットで依頼するケースが多くなっています。整備検査を行わないと、車検を受けられないと思うかもしれませんが、一定の保安基準を満たせば、車検を通すことに問題はなく、車検後に定期点検整備を実施しても問題は何もありません。本来、車検と点検整備は目的・内容が異なるものです。車検を通すための整備と24カ月法定点検が作業として重なり、また、明確に分かれているわけではないので混乱しがちで誤解をしている方も多いのが現状です。事前に定期点検整備を行わずに車検を受け、後から点検整備を行うことは前検査(=後整備)と呼ばれ、逆は前整備です。車は、法律によって定期点検が義務付けられています。車の使用者は、1年(12カ月)で26項目、2年(24カ月)で56項目の点検を実施する義務があります。一方で、車検というのは、あくまでも保安基準にのっとって検査だけをするものです。つまり、車検はその検査を受けるときの車の状態が、決められた安全・環境基準に適合するかのチェックであり、車検と点検整備はセットされたものではなく、各々別途に定められたもので、これらを実施する順番が定められているわけではありません。しかしながら、車検前に定期点検を行っておけば、車検で求められる保安基準は難なくクリアできます。この24カ月法定点検整備、ユーザー車検の場合は自分自身で点検・整備を行うか、もしくはそれが難しい場合は24カ月法定点検整備のみを業者に依頼するか、どちらかを選択しましょう。

用意しておくべき必要書類

用意しておくべき必要書類

車検で必要な書類は、車検業者に依頼する場合と自らユーザー車検を行う場合では異なります。ユーザー車検の際に用意しておかなければいけない書類に関して説明していきます。

車検証

車検証は、保安基準に適合した車であることを証明します。車検対象の車に交付され、その車に関する情報が記載されている書類です。車検や街頭検問の際に、車両の状態が車検証記載の通りであるか確認されます。

自動車損害賠償責任保険証明書

自動車の所有者が必ず加入しなければならない自賠責保険の保険証です。この保険は対人にのみ損害を補償する保険で、対物・運転者自身のケガは補償適用外。あくまでも任意保険の補助的な役割です。車検対象自動車の場合、この保険の保険期間が車検の有効期間をカバーし、車検有効期間より1日でも長く保険加入していないといけません。車検の際は、新旧2枚を用意しておきます。

自動車税納税証明書

自動車税の納税が行われているかを確認するための証明書です。毎年5月頃に自動車税事務所などから自動車税納税通知書と一緒に送付されます。2015年4月1日から納税証明書の電子化がスタート。これにより、これまで車検を受ける時に必要だった自動車税納税証明書(継続検査用)は、特定の条件下で省略できるようになりました。

自動車検査票

車検の際に検査の項目ごとの合格状況を記録する用紙です。検査を受ける自動車が法の定める保安基準に準じている場合に限り、この検査票に合格印が印字されます。保安基準外であったり、書類に不備があったりする場合、その内容が記載されます。最終的に検査票の全項目に合格印が押されれば、車検証交付を受けることが可能です。ユーザー車検を受ける場合、検査当日に窓口で検査票の配布を受けます。

自動車重量税納付書

車検の際に自動車重量税を納めるための書類です。この自動車重量税納付書に自動車重量税額の印紙を貼って申請します。自動車重量税納付書は、車検当日に検査当日に窓口で用紙の配布を受けます。

継続検査申請書

車検時に、車検証をコンピュータで出力するために必要な用紙です。車検終了後にこの申請書を運輸支局のコンピュータに挿入すると、記載内容が読み取られ、車検証が交付される仕組みになっています。ユーザー車検を受ける場合、検査当日に窓口で用紙の配布を受けますが、国土交通省のホームページからダウンロード・印刷しておくことも可能です。ただし、家庭に普及しているインクジェットプリンターを使用した印刷はできませんので注意してください。

定期点検整備記録簿

24ヵ月点検・12ヵ月点検の法定点検の内容を記録した用紙です。この定期点検整備記録簿で、過去の点検整備、消耗部品の交換の時期などを確認することができます。これは後検査(車検前に点検整備)を行う場合は必要ですが、前検査で車検を受ける場合は必要ありません。

認印

車の使用者の認印です。

予備検査場(テスター屋)の利用方法

予備検査場(テスター屋)の利用方法

車の整備に自信がない場合、ユーザー車検のハードルは高くなってしまいます。そこをサポートしてくれるのがテスター屋とも呼ばれる予備検査場です。以下では、テスター屋の詳細やその利用方法、料金について説明します。

予備検査場(テスター屋)は必ず利用すべき

予備検査場は、以下の2通りの利用方法があります。

・車検前に利用して不具合箇所がないか確認して、不具合がある場合、車検に通るように調整するため
・ユーザー車検で不合格になった場合に、不具合箇所を解消して再検査に備えるため

車検に通りやすくなるため、車の整備に相当な自信がなければ、予備検査場を利用すべきです。

テスター屋を利用した場合の料金目安

1,000~3,000円程度が相場です。また、事前検査のための主な検査をセットにした料金を設定しているところも多くなっています。車検前検査か、車検後の不具合箇所だけの検査・調整か相談して進めると良いでしょう。

ユーザー車検の予約方法

ユーザー車検の予約方法

ユーザー車検の予約はインターネット予約が基本です。

普通車の予約はインターネット予約のみ

普通車は、国土交通省の自動車検査インターネット予約システム
https://www.yoyaku.naltec.go.jp/pc/reservationTop.do)から予約します。初めての方は新規アカウント登録が必要です。登録ページで氏名・電話番号・メールアドレス・パスワードを入力します。

軽自動車はインターネットもしくは電話

軽自動車の場合は、軽自動車検査協会の軽自動車検査予約システム
https://www.kei-reserve.jp/pc/index.html)から予約します。こちらも普通自動車と同様にアカウント登録が必要です。パソコンだけではなく、スマートフォン・携帯電話でも予約できます。

軽自動車は電話予約もできる

軽自動車の車検予約は、電話でも可能です。音声案内に従ってアカウント登録をし、車両情報を入力します。受検を希望する各地域にある事務所の検査予約システムの番号にかけて行います。検査予約システム電話番号は以下のページから確認できます。
https://www.keikenkyo.or.jp/procedures/procedures_000134.html

予約はいつからできる?何日前から?

検査場によって若干違いますがだいたい14日前から行えます。車検は車検証の有効期限の1ヶ月前から受けることができますので、ユーザー車検の予約は車検の有効期限の概ね45日前以降に行うことができます。

予約のキャンセルはどうすれば?

予約のキャンセルは、午前の予約であれば当日8:00まで、午後の予約であれば当日12:00までなら可能です。

ユーザー車検当日の流れ

ユーザー車検当日の流れ

ユーザー車検を受ける日の流れは、以下のようになります。

テスター屋さんで予備検査を受ける

運輸支局近辺には、運輸支局で行うのと同内容の検査を前もって行える、民間のテスター屋さん(予備検査場)があります。このテスター屋さんで車検前に検査・調整を行ってもらい、車の状態を確認・調整することで、車検が一発で通る確率が上がります。利用料金は、各検査1,000円~3,000円程度です。ただし、予備検査場が存在しない地域や、一般の方は利用できない場合もありますので、事前に確認しておきましょう。

必要書類の入手

運輸支局の窓口で、必要な用紙の配布を受けます。通常は下記3枚です。

・自動車検査票
・自動車重量税納付書
・継続検査申請書

入手した用紙に必要事項を記入します。

窓口で受付

ユーザー車検の受付窓口に書類一式を提示します。その際、ユーザー車検予約の際に発行された予約ナンバーを伝えます。書類に不備があった場合、このときに指摘を受けますので、指示に従って修正してください。

検査ラインで検査を受ける

自動車に乗り、検査コースで受検。検査コースへ入場できる回数は、1回の検査申請につき3回までに制限されています。

合格印を押した自動車検査票を受付に提出

検査合格であれば、書類の一式を車検証の交付窓口へ提出します。窓口で新しい車検証と検査標章の交付を受ければ、ユーザー車検は終了です。

当日の検査項目一覧

当日の検査項目一覧

ユーザー車検当日の検査項目を検査順に確認していきます。

同一性の確認

車検証・申請書類の記載内容を確認し、車検を受ける車の情報が車検証に記載された情報と同一であるか照合されます。まず、検査官の指示に従ってボンネットを開け、車検証を含む書類を提出します。車両に打刻されている車台番号とエンジンに打刻されている原動機型式を車検証記載情報と照合し、同一の自動車であることが確認されればOKです。

外廻り(外観ボディ)検査

自動車の外観に問題がないかの確認作業です。検査官の指示に従い、ヘッドライトをスモール点灯させ、次に全点灯でハイビーム・ロービームの切り替えを行い、ウインカーを左右順に点灯させます。検査官が自動車後方に移ったら、ブレーキを踏みブレーキランプ、ギアをバックに入れてバックランプの点灯を実施。再度ウインカーを左右順番に点灯し、最後にギアをニュートラルにしてハザードランプを押し点灯させます。検査官は、この間に足回りのボルト・ナットを叩き、ナットの締め付け具合に緩みなどがないか打音で確認していきます。以上に問題なければ、自動車検査票に外廻り検査合格の押印がもらえます。

サイドスリップ検査

同一性の確認と外廻り検査が終わったら、コースに進入し、コース内検査がスタートします。最初の検査は、前輪タイヤの横滑り量を測定する検査です。調整が適切に行われていないとタイヤの偏った磨耗を起こし、まっすぐ走る際に支障が出る可能性があります。検査コースラインにタイヤを合わせ、鉄板の上をゆっくり走行。ハンドルは切らずまっすぐ前進します。鉄板の上を通過し、前方電光表示機に○が表示されれば合格です。

ブレーキの制動力のチェック

フットブレーキとサイドブレーキの効き具合の確認です。サイドスリップ検査が終了したら一旦停止線でストップ、前方電光表示機に「ゆっくり前進 前輪停止線で止まる」と表示されるまで待ちます。表示が出たらラインに沿ってゆっくり前進します。四輪をテスタローラーの上に乗せ、ギアはニュートラルに入れて、エンジンは切りません。四輪すべてが指定位置に乗るとテスタが沈み、ブレーキ検査がスタート。前方の電光表示機の指示に従ってブレーキを踏み、離す指示があるまで踏み続けます。ブレーキの効きを確認する検査なので、普段の運転時以上に強く踏み込む必要があります。踏み込みが甘いと不合格になるかもしれません。サイドブレーキに関しても同様のチェックが入ります。前後のブレーキとサイドブレーキの測定後、電光表示機に○の表示が出れば合格です。

スピードメータの表示速度の誤差確認

ブレーキ検査を終えたら、引き続きその場でスピードメータの検査です。実際の速度と速度表示との間に誤差がないかチェックします。検査機のローラー上で車を走行させ、車のメーターが40kmに達した時点で検査器との誤差を計測。基準範囲の誤差であれば○が表示され合格です。

ヘッドライトの光量・光軸

スピードメータ検査が終わったら、その場でヘッドライトの検査に移行します。ヘッドライトの光量・光軸が基準値内に収まっているか確認します。電光表示機の指示に従い、ロービームでヘッドライトを点灯させると、前方左右からヘッドライトテスタが出現して、ヘッドライトの光量・光軸の測定がスタート。基準範囲内であれば電光掲示機に○が表示されます。

自動車検査票に記録

ヘッドライト検査を終えたら、電光表示機の指示に従って車をテスタから出し、次の停止線まで前進します。停止線で車を停めたら車から降り、記録器に検査票を挿入し、ここまでの検査結果を印字します。

排気ガスの濃度のチェック

続いて排気ガス検査です。記録器横に設置された排出ガス検査機器から出ている測定機器を、自動車の排気管に差し込みます。排気ガスに含まれる一酸化炭素と炭化水素濃度を測定。ディーゼル車の場合、排気ガス検査は行わず、別途、ディーゼル車専用の検査を行います。こちらも前方電光表示機に○の表示がされれば合格です。測定機器を抜き、機器を元の位置へ戻します。

自動車検査票に記録

測定機器を元に戻したら、排気ガステスター側のスタンプポストに検査票を差し込み記録を印字し、車を前進させます。

下廻り検査

車両下部には車の重要な機能が集中しています。この検査は、車両下部にオイル漏れなどの不具合がないかどうかを確認するためのものです。ラインに沿って車を前進させ、中央が空洞になっている検査機器の停止位置にタイヤの前輪を乗せます。この時にギアはニュートラルかパーキングに入れ、サイドブレーキは引きません。検査が始まると自動車が左右に揺れ、斜め前方にある電光表示機に指示が出ます。その指示に従い、ブレーキを踏んだりサイドブレーキを引いたりなどの操作を実施。電光表示機に○が表示されたら、エンジンをかけて車を前進させます。保安基準に適していないなどの不具合があった場合、検査官の指示に従います。

自動車検査票に記録

下廻り検査後に自動車を前進させると、検査結果を印字する記録器が設置されていますので、自動車検査票を挿入し記録します。

以上でユーザー車検は終了です。

総合判定ボックス

検査を終えたら、検査コース出口にある総合判定室に書類一式を提出します。ここで検査の総合判定が行われ、問題なければ、自動車検査票の審査結果通知欄に合格の押印です。問題があった場合、検査票に問題箇所の内容が記載されます。そのような時は問題箇所の調整を実施し、再度受検する流れです。検査コースへ入場できる回数は、1回の検査申請につき3回までと制限されていますので注意しましょう。

ユーザー車検に不合格になったら・・・

ユーザー車検に不合格になったら・・・

せっかく準備して受けたのに、ユーザー車検で不合格になるケースがあります。ここでは、不合格になりやすいポイントと、不合格になった場合の対処法を解説します。

不合格になりやすいポイントとは?

不合格になるのは、以下のような原因が多いようです。ユーザー車検に興味のある方、受ける予定のある方は、くれぐれも注意してください。

ユーザーの操作ミス

車の問題ではなく、運転者による操作ミスで合格できないことがあります。初めてユーザー車検を受検する方に多いようです。最初は緊張もするでしょうし、慣れていなければ仕方がない面もありますね。具体的には、ブレーキ検査時にペダルの踏み方が甘いといったケースが多くなっているようです。ブレーキ検査は、検査官からブレーキを離す指示があるまで、普段以上に強く踏み続ける必要があります。ハンドルを切ってはいけないスリップ検査時に、ついハンドルを動かす人も多いそうなので、ハンドルは切らずにまっすぐ前進します。検査官に問題点を確認し、操作の課題をしっかり聞いて再検査に臨みましょう。

車の整備不良

車の整備不良で不合格になった場合、不良の程度によって対応が異なります。ヘッドライトの光量が不足していたり、ブレーキランプが切れていたりといった簡単に整備できるケースであれば、最寄りのガソリンスタンドなどですぐに直してもらい、その日のうちに再受検可能です。ステアリングラックブーツの破損・ドライブシャフトブーツの液漏れも整備不良に多いパターンのようなので、十分注意しましょう。日数を要する整備が必要なケースは、当日中に合格が難しいこともあるでしょう。この場合は不適合の箇所を改善してから再度予約をし、検査を受けます。

不合格の対処は4つに分かれる

次に不合格になった場合の対処法です。不合格の場合、「当日中再検査」「当日中3回超検査」「2週間以内に再検査」「2週間を超えて再検査」で対処が違ってきます。それぞれ説明していきましょう。

当日中であれば再検査は2回まで無料

車検が不合格の場合、初回を含めて3回まで無料で受検可能です。検査官に再検査の旨を伝え、指示に従い検査ラインに入場。合格済みの検査はスルーし、不合格の検査だけ受けます。

当日4回目以降は再検査手数料を支払う必要あり

3回までの検査で合格できず、その日中に合格したい場合は、申請窓口で再申請をして手数料を支払い、再検査を受けます。ユーザー車検は一日4回のラウンドが用意されているので、当日中に合格したい方は、再検査を考慮し、朝一番のラウンドから受検するのがおすすめです。

2週間以内の再検査は不適合箇所のみでOK

当日中の再受検でもNGだった場合、あきらめて帰ってしまってはいけません。窓口で手数料無料の「限定自動車検査証」の発行を受けましょう。通常、車検が不合格では公道を走れませんが、この検査証があれば、15日間に限り公道を走ることが可能です。検査証には不適合箇所の記載があります。この検査証の有効期限は、当日を含め15日間。不適合だった箇所を直し、期間内に不適合箇所の検査を受けて合格すればOKです。

2週間を超えた場合は最初から検査やり直し

2週間をオーバーしてしまうと、再検査にはなりません。はじめから検査を受けることになり、すべての検査を改めて受ける必要があります。また、その場合、車は車検切れで公道を走れません。検査場までは車載車で運ぶことになるので、手間もお金もかかります。このような事態はできれば避けたいものです。

関連記事:https://www.goo-net.com/pit/magazine/30253.html

ユーザー車検のQ&A

ユーザー車検のQ&A

ユーザー車検に興味を持った方が疑問に思いがちな点に関して、回答例をあげておきましょう。

検査時、車内に荷物は置いておいて大丈夫?

車内に荷物を置くことは問題ありません。荷物の量・重量が多い商用車の場合、下ろすよう言われる可能性はあります。ただし、荷物を積んだままでは、検査精度の低下にもつながる可能性があるでしょう。また、荷物の出し入れで、荷物紛失・損傷のリスクもあります。荷物は出しておくのがユーザー車検時のマナーと考えておいたほうが良いです。

改造車はやはり通らない?

車検に通る改造と通らない改造があります。例として以下は通りませんので、注意してください。

窓にフィルム

フロントガラスの上部20%までの位置ならフィルムを貼ることは問題ありませんが、それを超える下方に貼ることはNGです。また、シールではなく透過性のあるフィルム(可視透過率70%以上)しか認められていません。後部座席のサイドウィンドウやリアウィンドウの場合は、車検において特に透過率の制限はありません。

フロントガラスに不要ステッカー

フロントガラスには、以下のもの以外貼ってはいけません。

・整備命令標章
・臨時検査合格標章
・検査標章
・保険標章、共済標章または保険・共済除外標章
・警察官が整備不良車、故障車両を発見した際に交付するステッカー(道路交通法第63条第4項の標章)
・車室内に備えるバックミラー
・公共の電波の受信のために前面ガラスにはり付けるアンテナ
・透明かつ可視光線の透過率が70パーセント以上のもの
・その他、国土交通大臣又は地方運輸局長が指定したもの

タイヤやホイールのサイズ変更

タイヤやホイールが車の幅以上に飛び出すようなものは禁止です。また、ボディに干渉したり、スピードメーターに影響が出るような変更も禁じられています。

ヘッドライトの色の変更

白・黄色以外の色は認められません。

大きすぎるエアロパーツ

所定のサイズを超えたパーツはNGです。

クレジットカード払いはできる?

ユーザー車検の支払いは法定費用のみなので、支払いは現金に限られています。

まとめ:ユーザー車検はメリット・デメリットを理解してチャレンジしよう

ユーザー車検は、確かに業者車検に比較して費用を抑えることができます。ただし、時間も手間もかかることですので、プロに任せた方が総合的に得策という考え方もあります。自分にとってどの程度のメリットがあるのか、しっかり理解した上でチャレンジするのがおすすめです。ユーザー予約はネットで予約可能。当日の流れ・検査の項目も慣れればそう難しいものではありません。車・税金・保険に詳しくなれるという面もありますので、多少面倒でもやってみたいという方にはおすすめです。

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