カーナビ・ETC・ドラレコ取付[2019.06.18 UP]
ETC車載器の取り付けからセットアップの手順や料金相場を解説

現在ETCが付いていないクルマに乗っている方は、ETC搭載車で初めて高速に乗れば、その快適さに驚くはずです。高速道路を含む有料道路の利用回数が多い方であれば、ETCを搭載しているかいないかで利便性が大きく違ってきます。今回は、ETCの仕組みや導入のメリットを解説していきます。また、取り付けは自分で行えるのかどうか、購入時にはどんな点に注意するのか、といった疑問にもお答えします。これからETC設置を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
- ETCとは?
- ETCの取り付けはセルフ?それとも業者に依頼?
- ETC車載器の選び方や購入時の注意点
- 業者に依頼した場合のETC取り付け・セットアップ工賃
- ETC車載器の取り付けにかかる時間の目安
- まとめ
ETCとは?

そもそもETCとはどういったシステムなのでしょうか?仕組みを理解しておけば、ETCを導入するメリットが見えてくるでしょう。
ETCの仕組み
料金所のゲートに設置されたアンテナと、車両に装着されたETC車載器の間で無線通信を行い、自動的に料金計算・支払いを実施、料金所をノンストップで通過できるシステムです。ETCは全国共通で運用されているシステムなので、1枚のETCカードと1台のETC車載器があれば、全国で利用することができます。料金は前もってETCカードに登録されている支払口座から引き落とされる仕組み。支払い方法の性質上クレジットカードと相性が良く、利用者の多くは保有しているクレジットカード会社発行のETCカードを利用しています。ゲート通過時のスピードが速いと、システム通信が機能せずバーが上がらないリスクがあります。通過時の速度は20km/h程度が推奨されているので、守るようにしましょう。
ETCを導入するメリット
ETCを導入することで得られるメリットは、以下のようなものです。
1.割引制度が利用可能
ETC利用者向けに用意された通行料金の割引制度が利用できます。
2.ノンストップで料金所通過
スピードを落とす必要はありますが、料金所で停車する必要がありません。
3.現金不要
料金所で支払う現金を用意しておかなくても大丈夫です。
4.左ハンドル車でも不便ではない
チケット・料金の受け渡し時に、無理な体勢でカラダを右側に寄せなくて済みます。
5.ガソリン代の節約
一時停止がないので、ガソリンを無駄に消費しません。
6.環境にやさしい
騒音・排気ガスも軽減され、地球環境にもやさしいシステムです。
7.マイレージサービスが利用可能
事前に登録しておくと通行料に応じてポイントが貯まり、貯めたポイントは通行料支払いに使えます。
通常のETCとETC2.0の違い
ETC2.0は、従来のETCがバージョンアップした次世代ETCです。旧バージョンとの大きな違いは、「首都圏の圏央道の料金水準が約2割引」となる特典の存在です。圏央道は、横浜・厚木・八王子・川越・つくば・成田・木更津など、東京周辺の中核都市を円周状に結ぶ高速道路を指します。この道路の通行料金が従来のETCと比較して2割引の料金になるのですから、圏央道を頻繁に利用する方にとって、とても大きなメリットです。また、高速道路から一旦出て道の駅に立ち寄るといった一時退出も、一定の条件を満たせば可能になりました。今後も、ETC2.0では、アドバイスされた渋滞を避けたルートを選択すると有料道路の割引が適用されるというサービスの開始や、一時退出・再進入の料金同一化などが予定されています。これらが実現すれば、高速道路周辺の渋滞緩和・周辺施設への立ち寄りがしやすくなる・有料道路の利用回数の増加・周辺飲食店や小売店の売り上げアップなどの効果が期待されるでしょう。
ETCの取り付けはセルフ?それとも業者に依頼?

ETCを取り付けることで得られるメリットは、かなり魅力的です。ですが、やはり気になるのは費用面。費用をできるだけ節約する方法はあるのでしょうか?
基本的にセルフでの取り付け・セットアップは困難
ETC車載器の取り付け自体は、器用な方ならできるかもしれません。ただし問題なのは、新規でETC車載器をクルマに取り付ける場合、セットアップと呼ばれる作業が必要な点です。セットアップは、車両情報を暗号化して車載器本体に書き込む作業。このセットアップによってETCシステムを利用するクルマを特定し、そのクルマに合わせた正しい通行料金が算出されるのです。ETC全体の安全な利用を守るため、セットアップが行えるのは技術や信頼性の審査をパスした登録店だけになっています。未登録の店はもちろん、個人では実施できない作業なので、登録店に依頼するしかありません。
車載器の購入店舗にそのまま取り付けも依頼できる
車載器を購入したお店で、セットアップ・取り付けをそのまま依頼してしまうのが最も簡単に済みます。そのためには、価格だけで購入店を選ばず、セットアップ可能な登録店で購入するのがおすすめです。
ETCカード申し込みから車載器取り付け、セットアップまでの流れ
ETCを初めて使う場合、以下の手続きを行います。
1.ETCカードの申し込み
クレジットカード会社が発行しているETCカードを入手します。普段利用しているクレジットカード会社のものが良いでしょう。ETCは、通信・料金収受の規格が統一されていますから、車載器メーカーとカード発行会社の組合せは自由です。たとえば、自分の所有するETCカードを、知人や家族のクルマの車載器に挿入して使用することもできます。こうすればクルマ所有者と使用者の間で有料道路料金の精算をする必要がありません。
2.ETC車載器の購入
車載器は、カーディーラーはもちろん、カー用品店・自動車整備工場などで購入できます。
3.セットアップ
車載器に車両情報を登録する「セットアップ」を行います。車両ごとの正しい料金を支払うための仕組みなので、一つの車載器を複数車両で共有はできません。セットアップ作業は、必ずセットアップ登録店に依頼します。セットアップ店の検索は以下のページから行えます。
参考:https://www.go-etc.jp/shop_search/
4.ETC車載器の取り付け
車載器メーカーが取扱説明書などで指定する方法で行ってもらいましょう。従来のETC車載器からETC2.0対応の車載器に交換する場合、必ず旧車載器を取り外してから取り付ける必要があります。
参考:https://www.go-etc.jp/support/guide.html
ETC車載器の選び方や購入時の注意点

ETCのセットアップ・取り付けに関して理解が進んだことと思います。次に、具体的なETC車載器の種類と選び方、購入時の注意点をお伝えしていきます。
2ピースタイプの特徴
2ピースタイプは、ETC車載器本体とアンテナが一体型のものです。本来ETCは、ETCカード+ETC車載器によって構成されています。一体型はカードと2つで構成されるので、2ピースタイプとなります。車載器本体をダッシュボード周辺に設置して電源を確保するだけなので、取り付けが簡単で、比較的安価です。
3ピースタイプの特徴
ETC車載器本体とアンテナが分離されたタイプで、車載器+アンテナ+カードの構成で3ピースタイプになります。車載器本体とアンテナが分離されたことにより、車載器本体が小型化し設置場所を比較的自由に選ぶことが可能。車載器本体を車外からは見えにくい場所に設置できるので、外からはETC車載器の有無がわかりにくく、セキュリティ面において安全性が高いでしょう。
ビルトインタイプの特徴
自動車メーカーが販売するもので、新車購入のタイミングで取り付けます。ディーラーでの取り付けが基本です。運転席周りに埋め込まれていることが多く、アンテナがルームミラーに埋め込まれているタイプもあります。車内がスッキリとまとまります。
各タイプの特徴や価格まとめ
特徴 | 価格 | |
---|---|---|
2ピースタイプ | 取り付け簡単で比較的安価 | 8,000円~ |
3ピースタイプ | 設置場所の自由度が高い | 6,000円~ 30,000円 |
ビルトインタイプ | 内装デザインの邪魔をしない | 10,000円~ |
ETC車載器の主要メーカー
ETC車載器の主要メーカーは以下になります。
1.デンソー
ニーズに応じた多彩なラインアップがあり、すべて3ピースタイプです。
2.パナソニック
利用履歴や料金案内はもちろんのこと、カーナビと連動しナビ画面に渋滞や安全運転支援などの情報を表示するナビ連動機能を備えた機種も豊富です。
3.三菱電機
24V対応のタイプやETC2.0(DSRC)対応のタイプなど豊富なラインアップです。
4.古野電気
ユーザー向けのカー用品としては馴染みが薄いメーカーですが、船舶用レーダーなどで歴史と実績があるメーカーです。
5.矢崎総業
ETC2.0もスイスイ走れる「suisuiyazaki」を、イルカのスーくんがHPでアピールしています。
6.パイオニア
パイオニアのカーナビ「carrozzeria」ブランドでの展開です。
7.デンソーテン
ECLIPSEブランドでの展開となっています。
8.クラリオン
クラリオン製のカーナビゲーションと連動可能です。
9.アルパイン
メーカーごとの取り付けキットも豊富にそろっています。アルパイン製のETCナビと連動可。
10.JVCケンウッド
ケンウッド製のカーナビと連動可能です。
もちろん、各自動車メーカー製のETC車載器も作られています。ビルトインタイプ希望の方はメーカー製の車載器になりますが、メーカー・車種によってはビルトインタイプがない場合もありますので、注意してください。
業者に依頼した場合のETC取り付け・セットアップ工賃

ETC車載器の取り付け作業に車種毎の条件差はあまりありませんが、セットアップはセットアップ登録店でしかできません。実際の各々の工賃はいくらぐらいが相場なのか確認しておきましょう。
取り付けは5,000~8,000円ほどが相場
ETC車載器は、新車を購入したタイミングで付けてもらう方が多いようですが、カー用品店やネット通販で購入することもできます。セットアップを済ませた車載器をクルマに取り付けます。購入したカーショップに依頼するのが一般的ですが、メカに強い方なら自力でも可能です。取り付け位置をお任せにすると自分の予想していない位置に取り付けられることがあります。希望する設置場所がある方は、必ず事前に作業担当者に伝えておきましょう。取り付け費用自体は5,000円から8,000円程度が相場のようです。
セットアップは2,500~3,000円が一般的な相場
登録店にしかお願いできないセットアップは、2,500~3,000円程度が工賃の相場です。一部のカーショップでは、本体とのセット料金が設定されており、車載器・取り付け工賃・セットアップ料金が込みで10,000円前後のところもありますので、かなりお得です。ただし、セットアップ依頼には車検証と免許証が必要です。クルマの所有者以外が申し込む場合、委任状が求められます。
持ち込みはここに注意
ネット通販などでは、かなり安く車載器を手に入れることができます。しかし問題なのは、セット料金の恩恵が受けられないので、結果的に合計費用が高くなりがちなことです。あるカーショップでは、持ち込みの取り付け費用は、そのお店で車載器を購入した場合の倍近いそう。時間も通常よりかかるようです。中には持ち込みは受け付けないお店もありますから、要注意。クルマを買ったディーラーや個人的に仲が良い修理工場などで比較的安価で取り付けてくれる可能性はあります。どうしてもネット通販などで車載器を安く買いたい方は、事前にこういったところに相談してみるのもいいかもしれません。
再セットアップを依頼した場合の料金は?
クルマの買い替えなどで車載器を今までとは別のクルマに装着したり、引越しなどでナンバープレートが変わった場合は、クルマに関する情報が変更されているので、再セットアップが必要になります。料金相場は3,000円程度です。
キャンペーンを利用すればお得になる
ETCセットアップを行える登録店では、一般財団法人ITSサービス高度化機構が実施している「セットアップ普及促進キャンペーン」が利用可能。これによってセットアップ情報発行料(ETC車載器500円、ETC2.0車載器は650円 ※税別)が割引されます。
セットアップ普及促進キャンペーンキャン情報ページ
https://www.its-tea.or.jp/users/etc_campaign.html
本記事は、2019年6月時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。
ETC車載器の取り付けにかかる時間の目安

ETC車載器の取り付け、セットアップにかかる時間は、どれくらいでしょうか?
取り付け セットアップまでお願いするなら少し時間はかかる
ETC車載器の取り付けからセットアップまでお願いすると、少々時間がかかるようです。軽自動車やコンパクトカーであれば1時間程度、ミニバンやSUV・スポーツカーなどは1時間~1時間30分ほどかかります。セットアップ自体に必要な時間は約20分。ETC車載器を取り付けからセットアップまでまとめて行う場合、1時間30分~2時間ほど時間を見ておいたほうが良いでしょう。直後に大事な約束を入れてしまうと、混雑していて待ち時間が長くなったときに焦ってしまいますから、大事なアポイントメントは別の機会にしておくのがおすすめです。
セットアップだけなら20分ほどで終わることも
セットアップのみの場合、混雑していない時期・タイミングであれば20分程度で済むこともあるようです。
まとめ
ETCは、一度取り付けてしまえばその便利さに驚くはずです。2016年には次世代のETC2.0も登場していますから、今後もその利便性はますます向上していくでしょう。ETC車載器本体をネット通販などで安く手に入れても、購入店以外でのセットアップ・取り付けはトータルで高く付く場合もあるので注意が必要です。ETC車載器の取り付けは器用な方なら自分でもできますが、セットアップは登録店でしかできません。車載器のタイプは3つに分かれますから、希望・予算に応じて選びましょう。
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