故障・修理
更新日:2019.10.17 / 掲載日:2019.10.17

絶滅危惧種スバルサンバーを快走仕様!「第14回 ブレーキ換装」

【注意】今回の作業はブレーキ関連で危険が伴います。 初めてトライするヒトは必ず経験者と一緒に作業することをススメます。

偶然入手した新品のディアスワゴン用ブレーキローターとブレーキパッドは魅力的で、バン系の効かないブレーキから「普通の」ブレーキに変身できる。ブレーキ大径化の最大の問題点は純正12インチホイールにあったが、なんと2014年3月からトラック規格ではないJWL刻印のホイールが使えることになっていた。ブレーキ改善と自由選択のホイールがすべて合法に!

SUBARU Sambar TV1 app.K (2007)

同じ型式でありながらキャリパーが間違っていた衝撃!

 前回で偶然入手できたディアスワゴン用ブレーキパーツだが、実際にバンとワゴンを乗り比べてみれば分かるように、圧倒的にブレーキ性能が違う。踏力をかければスムーズに止まるとは到底考えられないバン系にはブレーキコントロールという言葉が見つからないほど。これが市街地ではついつい車間距離を空けがちになる「サンバーバン運転」が存在する所以だ。以前紹介したブレーキパッドの高性能化を行っても、絶対容量が足りないためにタッチコントロールまではできなかったのだ。

 ただ、ブレーキ容量アップの最大の問題点はホイールに収まるかどうかで、ディアスワゴンはホイールに13インチを使用している。キャリパーが12インチホイールには収まらないのだ。それがバン系の最大の悩みだった。

 また商用車の場合ホイールにも制約があり、軽合金ホイールの場合はJWL-T刻印のあるものしか使用できないので、市場に溢れるホイールを自由に選択できないという悩みがあった。

 ところが、よく調べてみると、2014年3月の基準改正で最大積載量500kg以下の車両はJWL刻印のみで車検通過できることが判明!つまり軽自動車貨物4ナンバーは350kg積みなので、すべての軽貨物にJWL刻印が合法適用となるのだ。これはブレーキの大径化を含めドレスアップも自由にできることになる。タイヤにはまだ制約があるが、それを除外して考えれば、13インチはおろか17インチあたりでも全く問題なく軽合金ホイールが装着できるということになる。

 そこで偶然入手したブレーキパーツが生きることになり、車検のたびにアレヤコレヤ交換する面倒な作業から解放されることになる。喜び勇んで足りないキャリパーをオークションで探すと、ワゴン型式のものが送られてきた。しかし、いざ装着という段(前回)で現物を合わせてみると、パッドの形状は違うわ、大径ローターも装着できない……これには困った。

 TW系ディアスワゴンは平成14(2002)年6月のマイナーチェンジでブレーキキャリパーが変更になっていたのだ。前期型とも呼べるキャリパーでもパッド面積は増えるが、大径化の恩恵は受けられない。結局、新品キャリパーを導入。結果はもう大満足!「普通」の制動がこんなに嬉しいとは!

第14回 ブレーキ換装

軽合金ホイールに鋳出しマーキングされているJWLマーク。以前は商用貨物の場合JW L-Tマークだったが、14年3月よりJWLのみでOKに。

自動車検査法人が2014年3月6日に発表したプレスリリースで軽合金ホイールの検査基準が変更に。500kg積み以下であればJWLがOKにと改正されている。

バンとワゴンのローター径を比較してみると驚くほど違う。長いレンチでボルトを回すと力を入れなくてすむのと逆の原理でブレーキは効くことに。

「結局使用できず……」オークションで落札した旧型キャリパー。見た目にはパッド取り付け部分のミミが丸い。

パッド面積は増えるので12インチなら交換もあり。

パッドを保持する部分の形状が全く違うことが分かる。ちなみに四角い形状の新しいパッドはホンダ車と共用で選択技も増える。

キャリパー26292TC031/26292TC041。ローター26300TC05。パッドアッセンブリー26296TC061。社外品はリーテナースプリングがなくホンダ45237-692-931が使用可。

【↑ワゴン】【↓バン】パッド面積は約1.5倍はありそう。見ただけでも制動力 が増すことは確実。ホンダGE6フィットなどと同じ形状なのでパッド選択も可。

【左231mm】【右212mm】ローター外径はバン212mmに対してワゴン231mmとかなり大きい。バネ下は重くなるが、制動力は変わる。

ブレーキラインをクランプで固定し、丸部分をすべて緩めてからラインボルトから抜いていく。

ローターは軽くハンマーで裏から叩くと外れる。

固着している場合はローター穴に8mmボルトを2本ねじ込んでローターを浮かせていく。

遮熱板を取り外し、プレスラインで曲げてある部分をプライヤーで地道に起こしていく。一気に広げると伸びてしまうので、少しずつ加工。

ローターの遮熱板は12インチのままなので当然外周が当たってしまう。

ほぼ遮熱板の外形にぴったりなので、経費節減で加工することに。

「現物あわせ」ある程度遮熱板が起きたら、数回ローターを入れてみて隙間を確認する。キャリパー側を指で押さえてローターを回転させ擦れ部分を修正。

キャリパーサポートを組み込んでパッドを組み込むが突起のあるほうがピストン側となる。シム形状が違うので注意。

【↑外側】【↓内側】ブレーキラインのバンジョーワッシャーは必ず新品に交換すること。

純正ではなく手持ちの銅ワッシャーを使用した。

この記事の目次

完成!

すべてのボルトがきちんと締っていることを確認して、ブレーキフルードを用意してエア抜きを行う。

全量交換も気分が一新できていい。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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