故障・修理
更新日:2019.10.29 / 掲載日:2019.10.29
絶滅危惧種スバルサンバーを快走仕様!「第17回 USB電源製作……準備編」
最近はカーナビでさえスマホやタブレットに頼ったり、Bluetoothでの音楽再生やハンズフリーに至るまで充電と電源供給にUSBバスパワーを利用することが多くなってきた。
サンバーならシガーソケットから12Vを供給できるが、USB変換するにしてもアダプターが必要。そこで2回にわたって大容量供給可能なUSB5V電源の製作記をお届けする。
レギュレーターでいくかスイッチングでいくかの迷い
このところの自動車の電子制御関係は大幅に進化して、走る方面でもドライブバイワイヤー系がもはや当たり前だ。アクセルワイヤーがなくなり、ついにはステアリングでさえも操舵をモーター制御する時代になってきた。衝突安全ブレーキなども含め、コンピューターによるクルマの制御はとどまることを知らない。我がサンバーはECUを使ったインジェクションでありながら、それ以外は全部アナログの産物だが……。
室内快適装備のほうもデジタル化が進みAVユニットにはあらゆるデジタル物が外付けできるようなUSBコネクトやらBluetoothコネクトなどが装備されている。スマホやタブレットなどにはナビソフトが入っているから、カーナビ自体もいらなくなる恐れが出てきているのだが、常時使用するとなるとやはり問題が出てくる。特にバッテリーの消耗については誰もが頭を悩ますところ。そこでUSBからの電源供給が必要となるわけだ。
USBが供給するのはデジタル物の規格でいう5Vラインである。巷でもUSB供給アダプターが販売されているが、これから先を考えると大容量電流供給のUSBラインが車内にあることでより快適なサンバーライフが送れるというもの。サンバーのマイコン制御による電気系の改良なども考えると5Vラインに発展の余地があるなと考えたのだ。
いろいろ検索をかけていると、5V変換キットなるものが販売されていて、リーズナブルで割と簡単に作れることが判明した。
キットにはプリント基板が同梱されているので、以前のワンタッチウインカーのようにイチから作る必要もない。AM読者の多くはハンダゴテを使えるだろうから、サンバーに限らず汎用性のある5V電源を作れるというわけ。
キットを2種に絞ったが、あくまでも汎用。電源電圧もかなり不安定な条件になる。ひとつは超小型であるがスイッチング電源であるため、高周波によるON-OFFノイズがカーナビなどにも影響が出る恐れもある。レギュレーター式は熱と容量確保の戦いになるので、まずは搭載前にキットを製作して、実際に使用できるかどうかを検証してみた。
第17回 USB電源製作……準備編
iPhone付属の充電器を無負荷と負荷時で計測してみた。キューブ型は約1A流れることが判明。ほんわかと充電器が暖かくなる。iPadに付属の充電器では2アンペア近く流れることが判明。こちらはかなり発熱している。
なんの変哲もない5Vラインであれば【1】と【4】に供給すればいいのだが、apple系はDataラインに電圧を与えないと充電してくれない。抵抗による分圧で【2】へ39kΩ+51kΩ=2.83V、【3】へ33kΩ+22kΩ=2.0Vを供給しておく。
USBの端子配列は【1】VCC、【2】Data-、【3】Data+、【4】GNDである。apple系に充電するにはData端子に電圧を入れなければならない。