走れスバルR2 フロントマスク修正 【2】

　譲っていただいたフロントまわりは、R-2のフロント部分の約50cmをカットしてオブジェにしたもの。ガレージの壁に飾ってあったもので、赤のボディカラーも相まってなかなかかわいい。ただ、半分屋外のような場所にあったためか、所々錆が進行してしまっている。特にライトリングなどはひどく、腐食して原形を留めていない。ボンネットも先端部分がグズグズになってしまっているが、大きな凹みやひどい補修跡もなく、肝心のフロントマスクはまぁまぁ状態がよく、再生は可能な状態だ。当初はこのフロントまわりを参考にして、新しい亜鉛めっき鋼板パネルから作ろうと思っていたのだが、複雑な形状の再現は素人にはできないと判断。状態がいい部分を切り取って移植することにした。

　一番使いたい部分はフロントパネルの下側。下側の4分の1くらいをごっそりと移植しようとも考えたが、譲り受けたパネルも下側は錆が多く、中央部分は腐食して穴が開いているために断念。最も再現が難しそうな下側の左右に凹みがある部分を切り取って移植することにした。

　フォグランプが取り付けられていたこの部分を少し大きめに切り取った。塗装を剥がしてみると一部腐食があるもののパネルは比較的いい状態。我がR-2の状態が悪い部分を切り取って、カットしたパネルを溶接した。これでフロントパネルの補修完了、と思ったが、下側パネル全体の角度がおかしく、修正が必要だ。

切り取ったパネルを当ててマーキング。

その内側15mmくらいのところにラインを引く。

ラインの部分をエアソーでカットした。

下が切り取ったパネル。少し小さめに切り取ったのは、パネルが薄いので突き合わせで溶接するのが難しいため。

パネルをカットする時に歪んでしまったのか、重ねてみるとラインが合わない。この隙間がなくなるまで叩いて修正する。

パネルそのものの修正をしてみたが、どうやら元のパネルと内側に曲がっている角度が違っている。

角度を合わせるため、本体側も叩いて修正した。

何度か作業を繰り返してなんとか修正完了。

まずは上側をクランプして仮留めの溶接をし、左側を押さえながらさらに仮留め溶接。

位置が決まったら本溶接を行う。パネルが薄いので、なるべく熱で歪まないように、間隔を置いて点付けで溶接した。

点付けの溶接で盛り上がった部分をディスクサンダーで削り落としてなるべく平らに処理。削り過ぎると穴が開くので注意する。

できた！　これで左側は完成。

お次は右側。右側は修正だけで大丈夫かと思ったが、よく見ると穴のまわりも歪んでいるし、フェンダー側も腐っている。

右も同じように中古のパネルから切り出して補修。フェンダーのネジはショックドライバーを使って取り外すことができた。

左と同じようにパネルを切り出す。右側は錆が多いのであらかじめ塗装を剥がした。

腐食はあるものの、使えそうなのでカット。

こちら側もパネルは少し小さめにカットした。

裏側を確認してみると思ったより状態がひどく補修は難しそうだった。

中古のフロントパネルから切り出したパーツを磨いて錆落とし。

裏側に塗られた錆止め剤？がねっとりとしてなかなか取れない。

溶接する側、本体側の両方のパネルを叩いて密着させ、上側をクランプして仮留め溶接して、本溶接を行った。

上側を溶接すると、熱で歪みが出たのか右側の密着度がいまいち。クランプした状態でハンマーで叩いて修正を行った。

隙間なく点付けの溶接をした後は、余分な部分をディスクサンダーで削り取る。削り過ぎないように慎重に……。

右側も完成! 溶接前にパネル修正に手こずった割に、仕上がりはまずまず。多少の歪みがあるがパテで修正すれば問題ないだろう。

左右のフェンダーを取り付けてみると、あれ？　うまくはまらない。どうやらパネル下部分の角度がフェンダー側と異なっている。

フェンダーは左右ともに大きな補修が行われていない中古パーツなので、角度がおかしいのは本体側。これは修正が必要だ。

• 提供元：オートメカニック