故障・修理
更新日:2020.03.10 / 掲載日:2020.03.10

バッテリー&オルタネーター完全リフレッシュ 【1】

クルマが止まる前に、点検リフレッシュ!

バッテリーはケース内に組み込まれた+-極板と電解液の希硫酸を化学的に作用させることで機能しており、電気エネルギーを化学エネルギーとして蓄え(充電)、必要に応じて電気エネルギーとして取り出し(放電)ている。

猛暑を乗り切ったバッテリーは相応のダメージを受けてる

 極板とバッテリー液(希硫酸)の間に起こる化学変化を利用して電気エネルギーを蓄える働きをする「鉛バッテリー」の適温は25℃以下で、温度が高くなると劣化が促進される。10℃上がると寿命は半分になるといわれているのだ。また、低すぎれば「活性化が阻害」され能力が低下する。

 ところが、外気の温度が34℃の真夏日はエンジンルーム内にセットされたバッテリー内の液温が最高50℃にまで達する。このような高温状況がバッテリーによいわけはなく、さまざまな悪影響を及ぼす。つまり、車載バッテリーは「夏の猛暑」で傷めつけられ、「冬の冷気」で活性化の足を引っ張られるという劣悪な環境。にもかかわらず、MFバッテリーの普及によってメンテを怠りがち。

 猛暑を乗り切ったバッテリーはそれ相応のダメージを受けており、そのまま寒い冬を迎えればダブルパンチ! ヘタり気味だったらトラブルことは確実。今のうちにキッチリとメンテしておきたい。

バッテリー点検

MFタイプでも最低限のメンテは必要不可欠!バッテリーの日常メンテナンス

 バッテリーはバッテリー液を注入した瞬間から、使用の有無にかかわらず劣化が進行する。このため、ただでさえ定期的な保守・点検・交換が必須!

 その保守・点検で最も大切なのが液量の点検・補充。次に大切なのが必要な電圧を発生しているか? バッテリーターミナルが緩むことなくキッチリ固定されているか? これらを忘れずにチェックしたい。

バッテリーケースの汚れを拭き取る

バッテリーが設置されているエンジンルーム内には路面から舞い上がったホコリが舞うため、放っておくとホコリまみれになる。

そんな状態では点検もしにくいため、まずはケースに付着した汚れをきれいに拭き取る。

バッテリー液の液量をチェックする

ケース側面から内部を透かし見て液面をチェック。

UPPERとLOWERの間に液面があれば基本的にOKだが、バラついていたならUPPERまで均等に補充液を入れる。

なお、液面が見にくい時は裏から光を当てて確認する。

不透明ケースで目視チェックできないタイプ(近年、これが主流)は。

このタイプはインジケーターで判断する。

インジケーターでコンディションを確認!

MFバッテリーにはコンディション確認用のインジケーターがケース上面に設置されている。

このタイプのインジケーターで、液不足表示で液栓が外せるタイプ(開放型)だったら補充。

要充電が表示されていたらただちに補充電する。

このタイプのインジケーターだった場合、液の補充は不要。「液不足=交換」が原則となっているからだ。

バッテリーターミナルの緩みをチェックする

エンジン始動時、セルモーターに接続されたバッテリーの+ケーブルには瞬間的に100Aを超える高圧電流が流れる。このため、ターミナルの取り付けが緩んでいると通電効率が落ちて必要な電気を流せない。つまり、セ

ターミナルを左右にこじって、グラつくことなくキッチリ締まっているか確認する。

多少でも動くようなら、固定ナットを増し締めしておく。

ターミナルを外す。まずはマイナス側から

いくら締め込んでもグラつきが収まらないようなら、基本的にターミナルの交換が必要だ。

が、ダメで元々、取り外して歪みを修正してみる。このターミナルの脱着時、外す時は「-ターミナル」から。取り付ける時は「+ターミナル」からが原則!

また、外した-ターミナルは作業中にターミナルポールに接触しないようケース側面に押し込んでおく。

固定ナットを緩め。

脱着可能な接続線は切り離し。

固定ボルトを取り外す。

歪みを修正して締め込みクリアランスを確保する

ボルトはめ込み部をバイスプライヤーでガッチリ保持。配線端子をプライヤーで挟んで曲げ直す。

ターミナルポールはめ込み面を絞り込んで歪みを修正。

最終的に上部が絞り込まれたテーパー状にしつつ。

はめ込んだ時合わせ面に隙間が生じるよう仕上げる。

奥まで確実に押し込み、キッチリ締める

ターミナルを外したついでに、金ブラシでターミナルポールを磨き。

酸化物を落としグリスを塗布。

ターミナルは底面がケースに密着するまで確実に押し込み。

固定ボルトをセット。

浮き上がってこないようギュッと押し付けながら固定ナットを締め込む。

これでも緩みが解消しないようなら、ターミナルを交換(単体で交換できるが、ケーブル付きの純正品の利用がベストだ)したい。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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