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故障・修理
更新日:2020.05.11 / 掲載日:2020.05.11

【車のエンジン】コンディションを最高の状態に保つ方法と注意点

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「エンジンを長持ちさせるにはどうすればいいのか?」と考えたことはありませんか?

「あまり高回転まで回さずに低回転でエンジンを使ったほうが良い」という意見もあれば、「エンジン内部の汚れを燃やしきるために、たまには高回転まで回したほうがいい」という意見もあります。

実際のところ、エンジンはどのように使われるのが最適なのでしょうか?今回は、「エンジンのコンディションを最高の状態に保つ方法と注意点」について解説します。

いわゆる「チョイ乗り」はエンジンに良くない

エンジンへ噴射されるガソリンの量は、空気の量に対して最も効率の良い比率(理論空燃比)に近い値にコントロールされています。
理論空燃比を保ち完全燃焼させれば燃えカスの発生は抑えられますが、実際は常に理論空燃比を保っているわけではありません。

例えば、エンジンが冷えているときは燃焼が安定しないため、濃いめに燃料を噴射する必要があります。
また、発進時などパワーが必要なときにも少し燃料は濃いめに噴射されています。理論空燃比よりも少しガソリンを濃いめにしたほうが、パワーを得られるからです。

こうしたことから、「近所のコンビニなどに行くために5分程度しかエンジンをかけない」などのいわゆる””チョイ乗り””を繰り返すことは、エンジンにあまり良くありません。
エンジンが冷えた状態で濃いめの燃料が噴射されるうえに、住宅街でストップアンドゴーを繰り返すため発進時にも燃料が濃いめに噴射されてしまいます。
こうした状況で運用を続けると、どうしても燃えカス(カーボン)は溜まりやすいです。

チョイ乗りだけでなくシビアコンディションにも注意

チョイ乗り以外にも気をつけたいのが、「シビアコンディション」です。シビアコンディションとは、車にとって過酷な状況を指します。
例えば以下のような状況は、シビアコンディションに相当します。

・発進と停止の繰り返しが多い
・アイドリング時間が長い(車内休憩など)
・空気が汚れた場所を走ることが多い
・低速域での走行が多い

こうした状況で車を使用すると、車に負担がかかって消耗品の劣化を早めたりトラブルが発生したりする可能性があります。
もちろん避けられない状況に遭遇することもありますが、なるべくシビアコンディションにならないように意識することが大切です。

走行頻度が少ないほど車に優しいとは限らない

よくある勘違いとして、「走行頻度が少ないほど車に優しい」という意見があります。車は機械ですから、なるべく稼働時間を減らしたほうが消耗は抑えられると思うかしれません。
しかし実際にはそうではありません。例えば、車に乗る頻度が少ないとバッテリーの充電が不十分になり、バッテリー上がりを起こしやすくなります。

また、バッテリー以外にもエンジンが不具合を起こすこともあります。エンジンオイルが重力で落下してしまい、エンジン内部がオイル切れを起こすことがあるのです。
エンジン内部が乾いた状態でセルを回すと、金属同士が直に摩擦するためエンジンを傷める原因になります。

こうした理由から、車を良いコンディションに保つためには、「定期的にある程度の距離を走ってあげる」ことが大切だといえます。

どのくらい乗るのが車に優しい?

上記の通り、車はたまに乗ってあげることが大切です。では、どのくらい乗るのが車に優しいのでしょうか?

結論としては、「頻度は週に1回以上、走行距離は10km以上」を目安に走行するのがおすすめです。
このとき、スピードは30km以上出して走行できる道を選ぶと良いでしょう。できれば幹線道路などで60km程度で走行するのが理想です。

ちなみに、アイドリングだけさせてバッテリーを充電しようとする人がいますが、それは推奨できません。
先ほども解説したように、アイドリングを続けると燃料が濃い状態が続いてカーボンが溜まってしまいます。また、バッテリーの充電スピードも走行中より遅い(発電量が少ない)です。
アイドリングではなく、走行させてコンディションを保ってあげましょう。

低回転と高回転はどっちがエンジンに優しい?

低回転と高回転はどっちがエンジンに優しい?

冒頭でも触れましたが、エンジンは低回転と高回転、どちらで運用するのが優しいのでしょうか?
燃費やエンジンの摩耗を考えれば、低回転のほうが良さそうに思えるかもしれません。

しかし、あまり低回転でエンジンを使っているとスラッジが溜まってしまいます。摩耗が抑えられてもスラッジが溜まるとエンジンにとって優しいとはいえません。
これはエンジンだけでなく、トランスミッションにも同じことがいえます。オートマチックミッションの潤滑油であるATF(オートマチックトランスミッションフルード)にスラッジが溜まると油圧系のトラブルの原因になります。

これらを踏まえると、エンジンは常に低回転で使うのが優しいとは言い切れません。ではどうしたらいいのかというと、時々エンジンをある程度の回転数まで回してあげることを推奨します。
エンジンを高回転まで回せば、燃え残った不純物を燃やしきり、堆積したスラッジもオイルの中に分散されます。オイル中に分散されたスラッジはオイル交換すれば除去できます。

スラッジやカーボンを減らす運転とは

上記の通り、時々エンジンを回してあげることはスラッジの除去につながりますが、1つ注意点があります。それは、「やたらとエンジンを高回転まで回せばいいわけではない」点です。
先ほど解説したように、負荷をかけると燃料の噴射量が多くなってしまいます。燃料が濃い状態で走行すると不完全燃焼によってカーボンなどの不純物が堆積する原因になります。
しかも、高回転までエンジンを回す際に加速している時間は短いです。短時間高回転まで回しても、カーボンを燃焼させるまでには至らないでしょう。
とはいえ、低速からシフトせずに回転を引っ張って加速し続けるような運転をする必要はありません。スポーツカーなどの高回転型エンジンなら別ですが、近年の乗用車は中低速重視のエンジンなので高回転まで回してもあまり意味がないからです。
つまり、「高回転まで短時間で回す」のではなく「中回転ぐらいで長く走行してあげる」ほうがスラッジやカーボンの除去に効果的ということです。

ところで、「低回転・中回転・高回転というのは、それぞれどのくらいなのか?」と疑問に思った方も多いと思います。
一般的な普通自動車のエンジンを例にすると、およそ以下の通りです。

・低回転域=アイドリング~2000rpm程度
・中回転域=2000~4000rpm
・高回転域=4000rpm~

一般的には上記の通りですが、高回転型のエンジンの場合は全体的に回転数域の幅が広くなると考えてください。

コンディション維持には高速道路を流すのがベスト

上記の解説で、「中回転ぐらいで長く走行してあげる」のがエンジンのコンディション維持に良いことが分かりました。
しかし、「法定速度もあるし、中回転を長い時間維持して走行するのは難しいのでは?」と思った方も多いでしょう。

そこで推奨したいのが高速道路を走行することです。高速道路であれば中回転域を保ったまま長い時間走行できます。アクセルをいっぱい踏み込むのではなく低負荷でクルージング走行するイメージです。
中回転で低負荷を保つことで、燃料が薄い状態で走り続けることができます。それにより燃焼室温度が上がり、カーボンなどの堆積物の除去につながるのです。
目安としては月に1度ぐらいの頻度で高速道路を走行して、ある程度の速度まで加速し中回転を保ちながらクルージング走行するといいでしょう。
高速道路を降りたあとにエンジンが軽く回るような手応えがあれば、うまくカーボンを焼き切れた証拠です。

ディーゼル車は特にエンジンを回すべき

ディーゼル車は特にエンジンを回すべき

もともと低回転で最大トルクを発生する設計のディーゼルエンジンですが、低回転で使い続けてもいいのかというと、そうではありません。
むしろディーゼル車はガソリンエンジン車と構造が異なるため、ガソリン車以上に堆積物には気をつけなければならないのです。

ディーゼルエンジンは構造上、燃焼時に「PM」というススが発生します。発生したススは最終的にDPF(黒煙除去フィルタ)やEGRバルブ(排気ガス再循環装置)といった装置で処理されますが、エンジン内部にこびりついたススはそのまま堆積します。

エンジン内部のインジェクターにススが堆積すると燃料の霧化効率が悪くなり、それが原因でさらにススの発生量が増えるという悪循環に陥ります。
悪化すると排気側のバルブガイドにススが堆積し、排気バルブの動作不良により圧縮低下が起こり、最悪エンジンが止まってしまう恐れがあります。

こういった理由から、ディーゼル車はガソリン車以上にチョイ乗りに向きません。月に1回程度でいいので、ギアを上げずに引っ張って加速し、エンジンブレーキも多用してススを吹き飛ばすように意識しましょう。

吹き飛ばされたススはどこに行くのかというと、DPFに入って燃やして再生処理されるので問題ありません。DPFは高温に保ったほうが再生効率が良いので、ある程度アクセルを踏んで負荷をかけるとなお良いです。

ガソリン添加剤でエンジンコンディションを回復

ガソリン添加剤でエンジンコンディションを回復

エンジンに溜まってしまったスラッジカーボンは、走行させる以外にガソリン添加剤でも除去できる可能性があります。
ガソリンスタンドやカー用品店などで、ガソリン添加剤をおすすめされたことがある方も多いのではないでしょうか?

どのような成分でできていて、どのような役割があるのか?
以下で詳しく見ていきましょう。

ガソリン添加剤の主成分は?

一般的に市販されているガソリン添加剤は、主にPEA(ポリエーテルアミン)が主成分になっています。
PEAはカーボンやスラッジなどを強力に溶かす作用があり、溶けた堆積物はガソリンと混じって燃焼室で燃焼します。

安価なガソリン添加剤のなかには、PEAではなくアルコールを主成分としているものもあります。アルコールでもカーボンやスラッジは溶けるので洗浄剤としての機能は同じです。
しかし、アルコールはゴムなどにダメージを与えるため、エンジン内部や燃料供給系統のガスケットなどを傷めてしまう可能性があります。

もちろんダメージを受けてすぐにダメになってしまうわけではありませんが、長い目で見るとアルコールを主成分としたガソリン添加剤を頻繁に使用するのは推奨できません。

ガソリン添加剤の役割は?

ガソリン添加剤の主な役割はカーボンやスラッジの除去ですが、それ以外にも様々な効果があります。どのような効果があるのか、以下で解説します。

①堆積したカーボンの除去

先ほどから解説しているように、エンジン内部にはどうしてもガソリンの燃え残りであるカーボンが堆積してしまいます。
これ自体は特に異常なことではなく、カーボンが堆積したからといってすぐに問題になるわけではありません。
しかし、カーボンが蓄積していけば排気吸気バルブを狭めてしまったり、エンジンが動きづらくなったりとだんだん性能が低下していきます。
カーボンは中回転・低負荷の走行である程度燃やすことができますが、ガソリン添加剤を使えばさらに綺麗にカーボンを除去できます。

②ガソリンタンクの錆防止

「ガソリンタンクに水を入れることはないのに錆びるの?」と思うかもしれませんが、結露によってタンク内に少なからず水分が付着し錆が発生してしまいます。
また、ガソリンは劣化して腐ってしまうので、その状態で放置しておくと錆びたり不純物が詰まったりする原因になります。
ガソリン添加剤はタンクの内部をコーティングする効果があるため、ガソリンタンクを錆や不純物から守る効果があります。

③燃費の向上

エンジン内部のカーボンやスラッジを除去することによって、効率が良くなり燃費が向上します。また、ガソリン添加剤のコーティング効果によりエンジンの摺動(しゅうどう)部の抵抗が減り、それによって燃費の向上が期待できます。

④レスポンスの向上

カーボンの除去と摺動部のコーティングによって抵抗が減るため、レスポンスの向上も期待できます。「新車の時より吹け上がりが鈍い気がする……」と思ったら、ガソリン添加剤を使うと昔のレスポンスが蘇ってくることでしょう。

ガソリン添加剤の使い方

ガソリン添加剤の使い方は非常に簡単で、規定の量をガソリンタンクから投入するだけでOKです。
唯一の注意点として、ガソリンの量に対して添加剤を多く入れすぎないように注意してください。必ず添加剤指定の分量を添加するようにしましょう。

まとめ

今回はエンジンのコンディションを良い状態に保つ方法を解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
一般的にエンジンに優しいとされていることが、実はそうではないと分かって意外だったかもしれません。

月に1回程度、高速道路で中回転域までアクセルを踏んでクルージングしてあげることがコンディション維持につながります。
カーボンやスラッジの堆積が多い場合は、高速クルージングの前にガソリン添加剤を入れて堆積物を綺麗に燃焼させましょう。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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