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更新日:2020.10.19 / 掲載日:2020.10.19

スタッドレスタイヤの寿命は?見分け方や長持ちする保管方法も解説

スタッドレスタイヤの寿命は?見分け方や長持ちする保管方法も解説

雪道や凍結した路面を安全に走行するためには、スタッドレスタイヤが欠かせません。

積雪路や凍結路を走るうえで重要となるスタッドレスタイヤですが、夏タイヤと比べて装着期間が短く、劣化に気付きにくいことも多いでしょう。また、「スタッドレスタイヤの寿命がどれくらいなのかわからない……」という方も多いと思います。

そこで今回は、スタッドレスタイヤの寿命はどのくらいなのかをはじめ、スタッドレスタイヤ寿命の見分け方や、スタッドレスタイヤを長持ちさせるポイントについてご紹介します。

スタッドレスタイヤの寿命は何年?

「スタッドレスタイヤの寿命って何年なの?」こんな疑問を抱えている方も多いと思います。

結論から述べると、スタッドレスタイヤには明確な寿命(使用期限)というものはありません。しかし、いつまでも同じスタッドレスタイヤを装着していると、安全走行に支障がでてきます。

明確な寿命はないものの、タイヤの状態や製造年週を確認し、必要に応じて買い替えることが大切です。ここでは、スタッドレスタイヤの寿命を意識する理由や寿命の目安、具体的な確認方法をご紹介します。

スタッドレスタイヤには寿命がある

スタッドレスタイヤは夏タイヤとは異なり、低温下(気温が低い環境)でも硬くならないように、通常よりもオイルを多く配合したやわらかいゴム素材を使っています。

特に、低価格で販売しているタイヤほどオイルの量が多い傾向があります。タイヤメーカーによっては、オイル+αの素材を混ぜ込んでいるタイヤや、オイルを使用せずにゴムと軟化剤を分子結合させたタイヤも製造しています。

各メーカーのこだわりが詰まったスタッドレスタイヤは、トレッド面と路面がグリップすることで雪道や凍結路面での安全性を確保しています。

しかし、ゴムに含まれているオイルは長期間キープできるものではありません。時間の経過とともに少しずつ流れ出るため、劣化が進むにつれてタイヤが硬化していきます。

タイヤが硬化すると本来の性能を発揮できず、スリップ事故につながる可能性が高くなり危険です。走行距離が少なくても、スタッドレスタイヤは夏タイヤ以上に寿命を意識する必要があるといえるでしょう。

寿命は製造から約4年が目安

スタッドレスタイヤには明確な寿命はありませんが、目安となる時期はあります。それは「製造から約4年」です。

スタッドレスタイヤをそれほど利用していなくてもオイルが少しずつ抜けていくため、少なからずゴムの劣化は進んでいきます。メーカーや保管状況によっても異なりますが、スタッドレスタイヤは「約4年」を目安に状態を確認しておくのが望ましいといえます。

ちなみに、雪道や凍結路面の走行が多い地域で使用している場合は、やや短い3年程度を目安にすると安心です。

スタッドレスタイヤの寿命を考えるとき、経過年数をつい「購入してからの年数」で数えてしてしまいがちですが、正しくは製造してからの年数なので、確認の際には十分に注意しましょう。

タイヤの製造年週の確認方法

スタッドレスタイヤに限らず、タイヤの側面には4桁の製造年週が刻印されています。製造年週は古くなるほどタイヤの硬化率が高くなるため、スタッドレスタイヤ本来の機能を求めるのであれば見落とせません。

製造年週が古ければ劣化している可能性が高いので、使用頻度・走行距離に関係なく確認しましょう。タイヤの側面には数字がいくつも刻まれていて見分けがつきにくいですが、製造年週はホイールに近い場所で確認できるのがポイントです。

4桁の数字は「週数+年数」を表しており、「1918」と書いてあれば2018年19週、「109」であれば1999年10週に製造したタイヤであると認識できます。
このように2000年以降のタイヤは年数の下2桁、1999年以前であれば下1桁の数字をとって記載するルールになっています。

ただし、製造年週は寿命の目安のひとつであり、スタッドレスタイヤの状態によってはゴムがすでに劣化しているケースもあります。タイヤの保管方法も影響してくるので、製造年週だけを頼りに見極めるのは控えておくのが無難です。

スタッドレスタイヤの寿命の見分け方

スタッドレスタイヤの寿命の見分け方

スタッドレスタイヤの寿命について理解できたところで、より具体的な寿命の見分け方について確認してみましょう。
ここでご紹介する見分け方は、大きく分けて次の2つです。

・溝の深さで判断する
・経過年数による劣化具合で判断する

上記に加えて、寿命を終えたあとでも夏タイヤとして利用できることや、スタッドレスタイヤを夏タイヤとして利用する際の注意点を解説します。

溝の深さで判断する

スタッドレスタイヤの寿命を見極めるときは、溝の深さ(ヤマの高さ)を確認しましょう。
もともとタイヤには、道路運送車両法が定めている目印であるスリップサインが存在します。

スリップサインは溝の深さが1.6mmになるとトレッド面と同じ高さになるよう設定されており、事故の確率が高くなることはもちろん、車検にも通せなくなります。
どのようなタイヤでも、スリップサインが出た時点でタイヤ交換が必要だといえます。

また、スタッドレスタイヤは夏タイヤとは異なり、目印とするマークが別にあります。
スタッドレスタイヤが十分な氷雪性能を維持できるのは、新品状態から50%摩耗するまでです。

50%摩耗をひと目で確認できるのが、タイヤ表面の溝にあるプラットフォームです。プラットフォームとは、ブロックとブロックの間にある突起を言います。トレッド面と同じ高さになるまでプラットフォームが見えていれば、スタッドレスタイヤの交換が必要な時期と見極めることができます。

発砲ゴムでできたスタッドレスタイヤは、他のスタッドレスタイヤと比べるとライフが長い特徴がありますが、プラットフォームが消えてしまえばどんなに良いスタッドレスタイヤでも氷雪路性能を期待できません。

「高くていいタイヤを使っているから」と過信するのではなく、日頃からスタッドレスタイヤの状態を確認しておくことが大切です。

経過年数による劣化具合で判断する

スタッドレスタイヤは、冒頭でご紹介しているとおりやわらかいゴム素材でできています。
やわらかいゴムが路面に食い込むように作用することで滑りにくくなっているため、硬くなったスタッドレスタイヤでは安全走行に支障がでます。

輪ゴムをイメージすると、ゴムの劣化がわかりやすくなるでしょう。ゴム素材は時間が経過するにつれて、少しずつ硬くなりひび割れを起こします。 硬くなったタイヤを見極めるのは難しいですが、前述のとおり、製造からどれくらいの時間が経過しているのかが劣化具合の目安になります。

ただし、100%と正確に把握できるかといえば、そうとは言い切れません。

・直射日光を当てている
・雨ざらしにしている

上記のような方法で保管していると、劣化速度が速まる可能性が高くなるからです。保管方法によってタイヤの状態が変わってくるので、その点は覚えておきましょう。

また、タイヤのやわらかさを確認する手段として、硬度計を使う方法もあります。メーカーによってタイヤ本来の硬さが異なるので、あくまでも参考程度に留めておきましょう。

寿命が来ても夏タイヤとしてはまだ使用可能?

スタッドレスタイヤのプラットフォームが見えてくると、圧雪・アイスバーン路面に弱くなるため利用は控えるのがベストです。
しかし、「スタッドレスタイヤの寿命を迎えても、夏タイヤとして履き潰すことはできるのでは?」と思う方がいるかもしれません。

なぜなら、道路運送車両法が定めている目印「スリップサイン」が出ていないからです。車検に通すこともできるので、たしかに夏タイヤとして使用しても違反行為には該当しません。

しかしながら、スタッドレスタイヤを夏タイヤとして使用するにはいくつものデメリットがあるため、基本的に推奨しません。その理由を以下で確認していきましょう。

夏タイヤとしての使用には注意が必要

スタッドレスタイヤを夏タイヤとして使用するには、以下のようなデメリットが存在します。

燃費が悪くなる

スタッドレスタイヤは路面との摩擦係数が高く、特殊素材により本体重量があるため燃費に影響してくる。

ハンドリングが悪化する

スタッドレスタイヤは乾燥した路面との食いつきが弱く、剛性も低いため、ハンドリングのレスポンスが悪化しやすい。コーナリングでは膨らみやすいので注意が必要。

ブレーキが効きにくい

スタッドレスタイヤはタイヤがやわらかいため変形しやすく、溝が潰れてブレーキが効きにくくなる。

雨天時はスリップしやすい

スタッドレスタイヤは本来、凍結した路面から出るわずかな水分を吸い上げてグリップ力を高めるように設計されているため、雨天時の水量では吸いきれずにハイドロプレーニング現象を起こしやすい。タイヤが摩耗していれば尚更スリップしやすい。

バーストのリスクが高い

スタッドレスタイヤはもともとやわらかいゴム素材を使用しているが、摩擦や路面熱に触れるとさらにやわらかくなり、急カーブ・急ブレーキ・急加速・高速走行などでバーストの危険性が高まる。

タイヤが劣化しやすい

スタッドレスタイヤは熱に弱くゴムがやわらかいため、夏タイヤと比べて寿命を迎えるのが早い。

タイヤの音が大きい

スタッドレスタイヤに施されている、雪道や凍結路面を安全走行するために入れてある複数の切れ込みが原因で、夏タイヤよりも走行時の音を感じやすい傾向がある。

上記のとおり、スタッドレスタイヤは夏タイヤとして走行することを想定していません。
やむ終えない理由がない限りは、スタッドレスタイヤで走行するのは避けるのが無難だといえるでしょう。

もし、やむを得ずスタッドレスタイヤを夏タイヤとして使用するのであれば、以下の点に注意してください。

・急ブレーキに備えて車間距離を十分に確保する
・雨の日は車の使用を控える

特に注意したいのが、オールシーズンで使用することです。
冬を迎える前にタイヤを傷めてしまうので、冬季にスタッドレスタイヤ本来の性能を発揮できなくなる可能性が高まります。
コストを押さえて長く使用するのであれば、時期に合わせて履き替えることが大切です。

スタッドレスタイヤを長持ちさせるには

スタッドレスタイヤを長持ちさせるには

最後に、スタッドレスタイヤを長持ちさせる方法について解説します。

基本的には夏タイヤと同じように管理していれば、大きな問題はありません。ただし管理を怠ると、どんどん劣化していきますので事前に確認しておくのがおすすめです。

スタッドレスタイヤを長持ちさせるためのコツは大きく分けて2つあります。

・スタッドレスタイヤの偏摩耗を抑制する使い方
・スタッドレスタイヤの劣化を抑制する保管方法

どちらかひとつを実行するのではなく、併用することでスタッドレスタイヤの持ちを良くする効果が期待できます。

空気圧やローテーションで寿命が変わる

スタッドレスタイヤに限らず、どのようなタイヤでも偏摩耗を防ぐためにローテーションをしましょう。

偏摩耗とは、字のとおり、偏った摩耗のことを言います。前輪駆動車であれば前輪、後輪駆動であれば後輪が早く摩耗する傾向があります。車の駆動タイプに合わせて約5,000kmを基準に、左右前後のタイヤをローテーションするとよいでしょう。

また、適正な空気圧を維持することも異常摩耗の抑制に欠かせません。空気圧不足のまま放置していると、摩耗のほかにも走行性能の悪化や雨天時のブレーキが効きにくくなるなど、さまざまなデメリットがあります。ガソリンスタンドでも気軽に空気圧を調整できるので、小まめに確認しておきましょう。

長持ちする保管方法

タイヤを屋外で本体のまま保管するのはNGです。紫外線や雨によってタイヤゴムの劣化スピードが加速します。

ひび割れに気付かずに走行するとパンクの発生率が高くなるので、屋外保管する場合は紫外線や雨を避けられるよう、カバーや屋外倉庫を用いるなど工夫しましょう。

「うちは屋内だから大丈夫」と安心している人も注意が必要です。
以下の内容に当てはまっていないか、保管方法を見直してみましょう。

・ワックスをかけたり洗剤を使ってタイヤを洗ったりしてから保管している
・高温多湿になる場所に保管している
・タイヤに汚れが付着したまま保管している
・タイヤの空気を抜かずに保管している
・ホイールを付けたままタイヤを縦積みで保管している

タイヤの汚れは水洗いで落とすのが基本です。洗剤やワックスが染み込むことで劣化を促進させてしまう恐れがあります。

また、タイヤの保管はホイールが付いているなら横並べ、ホイールが付いてないなら縦置きで保管しましょう。このとき、タイヤの空気は半分程度抜いておくのが理想です。

まとめ

スタッドレスタイヤは、低温下で性能を維持できる特殊な素材でできており、夏タイヤよりもやわらかいのが特徴です。

製造年週から4年程度が寿命だといわれていますが、保管状態が悪ければ寿命を早く迎えることも珍しくありません。

スタッドレスタイヤを長く安全に使うためには、プラットフォームの確認や製造年週の確認に加えて、正しい保管・使用方法を心がけましょう。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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