AA63セリカがもう１台!? ラリー車製作プロジェクト

「錆が酷くて土に還したほうがいいのでは？」と誰もが思うAA63セリカをベースに、GAZOOラリーチャレンジ参戦車両を作ってしまおうというこの企画。今回はこの企画にしては珍しく朗報です！なんとなんと、とても程度のいい部品取り用のAA63セリカのボディを、気前よくご提供下さるという方が現れたのです！

こちらをベースにしていたら
海老名メカが楽だったのに
　前回お伝えしたように、TGRラリーチャレンジ参戦をもくろみ車両製作中のロゴスAA63セリカは、まだまだボディの再生が完成していない状態ながらも、初の走行テストを行い、無事に南千葉サーキットを走ることができた。今回はその時ドライブしてくれた、佐藤さんから伺ったインプレッションをお伝えしようと予定していたのだが、緊急ニュース（？）が飛び込んできたので、そちらを先にレポートしよう。
　これまでのレポートの流れでいくと「また新たなる巨大錆穴が発見された！」なんていう話になりそうだが、残念ながら違います。なんとこのレポートをご覧になった方から、「あのボディを修理するのは大変だから、ウチにあるAA63セリカを部品取りに使って！」という連絡が編集部に入ったのだ。
　ちなみにAA63セリカの中古部品は、ネットオークションなどで探してもなかなか出品されることがなく、かなり入手困難。出てきたとしても、これまで見たものは同じような場所に錆が発生していて、「代替部品として購入するのはちょっと……」というものばかり。
　そんな状況だっただけに、部品取り車をご提供いただけるなんて話は朗報以外のなにものでもありません。しかもご提供くださるというのが、神奈川で旧車のレストアを行っているT-speedというショップさん。レストアのプロが部品取りに使えるというのだから、錆の状態もロゴスセリカよりかなりいいはず。
　実際に車両を拝見すると、こちらをベースに車両製作したほうが圧倒的に海老名メカも楽だったというほど、コンディション良好。これで車両製作のスピードもグッと早くなる……はずです。

　カウルトップが錆びて原形が全く残っていなかったことをレポートで見たT-speedさんが、「足回りやエンジンの部品取りとして在庫しているウチのAA63のほうが程度がいいから、せっかくなら使って！」と編集部に連絡をくださったのだ。実作業とレポートのタイムラグがあるので、その時点でカウルトップの切り貼りはすでに終了していたのだが、その他にもボンネットなど使える部品は多数あるので、ありがたく活用させていただくことに！本当に本当に、ありがとうございます。

袋が朽ち果てたボンネットフード……。

原形が残ってないカウルトップ……。

「部品取り用に、あげます！」

「ボンネットもキレイでしょ？」「す、すごい！」

T-speedさんで使用予定の部品を外してしまうと搬送しづらいので、エンジンだけ降ろした状態で、ロゴスにお持ち帰りとなった。ボディをいただけるだけでなくいろいろお心遣いをいただきありがとうございました！

工場1階は鈑金塗装や組み付けを行うスペース。そこで熟練の技を有した職人さん達が、ダルマセリカや510、さらにはAE86といった車両の作業を進めていた。

工場の2階はエンジンやミッションといったメカニカルな部分の再生スペース。作業を待つ2T-Gエンジンなどが整然と並んでいた。

1982年からクルマの販売や整備を手掛けてきたというT-speedが、昨年旧車のレストアに特化したガレージを神奈川県の大和市に開設。主に4気筒エンジン搭載の旧車を中心に、レストアを手掛けており、AA63を引き取り時も、ドンガラとなったダルマセリカや、美しくし上がったボディに部品を組み付けている最中の510ブルーバードなどの作業が進められていた。レストアの模様はWEBサイトで紹介されているので、ぜひご覧いただきたい。

• 提供元：オートメカニック