車検・点検・メンテナンス
更新日:2018.08.29 / 掲載日:2018.08.29
5年目の車検(2回目)は初回よりも費用が高いのか
車を新車で購入して5年目(2回目)の車検は、初回よりも費用が高くなると言われています。その理由には、自動車重量税という法定料金、日本におけるメーカー保証の仕組みや、消耗品の部品交換の時期が関係しています。ここでは、5年目の車検は初回より費用が高いのかを詳しく説明していきます。
自動車検査証の有効期間(いわゆる車検)については、道路運送車両法第61条に定められています。自家用乗用車の場合、初回は新車登録から3年が有効期間となり、以後2年毎となっています。したがって、通常は車を新車で購入してから3年目に初回の車検、5年目に2回目の車検を受けることになります。
5年目の車検が高くなる理由【自動車重量税】
5年目の車検が高くなる理由には、自動車重量税のエコカー減税制度が挙げられます。この制度は、エコカー減税対象車について、適用期間中に新規登録等を行った場合に限り、次回車検までの自動車重量税の減免措置が受けられるというものです。この制度は、基準が段階的に厳格化されており、2回目の車検で減免を受けられるのは、電気自動車などのほか、平成32年度燃費基準で+50%を達成している一部の車種のみが対象となっています(平成30年5月以降)。つまり、エコカー減税対象車であっても一部の車種を除いて、初回の車検では重量税の減免を受けられるものの、2回目の車検では減税措置を受けられないのです。
5年目の車検が高くなる理由【メーカー保証】
2つ目の理由としては、日本における自動車のメーカー保証制度が関係しています。メーカー保証というのは、大きく一般保証と特別保証に分かれます。まず、一般保証というのは、消耗品を除く全ての部品に適用となり、「新車登録から3年間または走行距離60,000kmのどちらかが早い方まで」という基準が多いようです。一方の特別保証は、エンジンやトランスミッション、足回りなどの車の走行や安全に関わる重要部品に関してのみ適用され、「新車登録から5年間または走行距離100,000kmのどちらかが早い方まで」となります。つまり、初回車検の後に発生する不具合や経年劣化のうち、主要保安部品以外の箇所については、保証適用外となるため、2回目の車検時で部品交換が必要になっても、ユーザー負担となってしまうのです。もちろん、主要保安部品以外の箇所であっても、不具合や経年による交換が必要ない場合は、車検費用に差異は生じません。
5年目の車検が高くなる理由【交換部品】
3つ目の理由としては、ちょうど2回目の車検の時期が、様々な部品交換の時期と重なるためでもあります。例えば、エアクリーナーエレメントの標準的な目安とされる交換時期は50,000kmであり、ちょうど日本における乗用車が5年間で走行する平均的な距離と同じです。そのほかにも、ブレーキ液やLLC(冷却液)も初回3年~5年での交換が推奨されているため、車検時における法定料金以外の整備料金に含まれる可能性があります。上記の通り、2回目の車検は、初回よりも費用がかさむ傾向があります。車検が来る時期は予め分かっているため、余裕を持って車の状態を確認してもらって見積もりをとるなどして、車検費用の工面を含め計画的に準備を進めることが重要になります。