車検後に調子が悪い（ブレーキやエンジンの異音等）場合に気を付けること

車検にパスしたのに、車検の後で車の調子が悪いというケースは時々耳にします。車検後、車に不具合が発生した場合はどのような原因が考えられるのでしょうか？またその対処方法はあるのでしょうか？

車検を通した後で車の調子が悪くなるケースとして、車検後に車から異音が発生し気づくことがあります。車検前にはしていなかった異音が、車検後になって異音が発生するようになったというケースです。特によくある異音のケースとして、ブレーキからの異音やエンジンからの異音が挙げられます。

ブレーキを踏んだ時に「キーキー」といった異音（ブレーキ鳴き）がする場合は、ブレーキパッドやブレーキシューの消耗が考えられます。また車検の整備時に、ブレーキローターはそのままに、ブレーキパッドだけを交換した場合などは、ブレーキパッドとブレーキローターとの当たり不良が発生し、ブレーキパッドが消耗していなくても異音がすることもあります。ブレーキは車の制動を担う重要なパーツですので、ブレーキから異音がする場合は、整備工場などで診てもらった方がいいと言えるでしょう。

エンジンから「キュルキュル」というような異音がなる場合は、ベルト系の不具合が考えられます。ファンベルトやエアコンコンプレッサーベルト、パワーステアリングベルトなど、いくつかの個所が予想されますが、これらはゴムの劣化やたわみによって異音が発生していると考えられます。交換したはずのベルト類からの異音の場合は、たわみを調整すれば直ることが多く、劣化による異音であればエンジンの不調とは関連性は低いので、気になるようであれば、消耗品と割り切り交換することをおすすめします。

ブレーキやエンジンの異音の他にも、車検後に調子が悪くなった症状として、車体やハンドルが振動するようになった、パワーウインドウが動かなくなった、ハンドルが重くなった、乗り心地が変化したなど、さまざまなケースが存在します。これらのケースに共通していることは「車検に通したから」ではなく「車検前に点検・整備をしてから不具合が出るようになった」と推測されます。しかし、車検後に車の調子が急に悪くなった場合、業者側の整備不良を疑ってしまうのは仕方のないことかもしれませんが、一方では、日ごろのメンテナンスに着目する必要もあります。

車検を通した後に車の調子が悪くなるのは主に二つの原因が考えられます。ひとつは整備工場や代行業者の点検ミスや作業の不手際、もうひとつは日ごろからのメンテナンス不足です。「車検」とは基本的に「車が安全に行動を走行するための保安基準が満たされているかどうか」を見極める検査です。車検代行業者に依頼する場合、車を車検場に持ち込む前に「24か月点検整備」や「車検前点検」などを実施してから車検に臨むため、多くの人は車検が通った段階で「故障」や「不具合」など念頭にないのが実情でしょう。しかし前述した通り、「車検」はあくまでも保安基準をチェックするだけのものであり、車検前の点検も「車検に通す」ことが前提なので、よほど分かりやすい不具合や故障が見当たらなければそのまま車検は通ります。整備工場などの24か月点検整備でチェックしたのち、消耗品や部品交換を「追加整備」という形で提案することはありますが、車検が通る範囲であればそのままにして済ますケースも多く見受けられます。ましてや「スピード車検」を売りにしている業者の場合は、車検に必要なだけの簡易的な点検で済ませるので、追加整備が必要な箇所が分からないこともあります。車検前に点検に出したから、と安心していても、実際はブレーキフルードが汚れていたり、ゴムパーツが経年劣化していたり、部品交換が必要となる寸前であったりと気づかないところで不具合が進行している可能性があるのです。車検後に車の調子が悪いケースは、整備側のミスや不手際だけでなく、車検後にたまたま不具合が表面化することもあり、日ごろからの点検不足である可能性も否定できないと考えられます。

車検後の車の不調はどのように対処したら良いのでしょうか？例えば、普段からこまめにオイルの交換やメンテナンスをしているのにオイル起因と思われる不具合が出た場合は、車検を依頼した先に、不具合の状況を伝え、実車を見てもらうなど打診してみることをおすすめします。きちんとした整備工場なら「整備記録」が残っているはずなので、不具合の原因を特定することも可能でしょう。ただし、明らかに整備した箇所とは異なるパーツの不具合である場合は、単純に部品の経年劣化や消耗品の摩耗が原因と判断されるのであれば、別途整備工場などで点検修理してもらいましょう。車の部品は必ずしも永久保証ではありません。故障やトラブルを減らすためにも定期的にメンテナンスを実施するように習慣づけることが大切です。