オイル交換
更新日:2018.08.29 / 掲載日:2018.08.29

低燃費オイルの効果・デメリットはあるのか?

エンジンオイルは、エンジン内部の潤滑や清浄、冷却、錆止めなど、たくさんの役割を持ちます。エンジンオイルは多様化しており、低温時の始動性や清浄効果の向上、走行距離の多いエンジン向け、高回転を多用するスポーツ走行車向け、ターボエンジン用など、豊富なバリエーションのオイルが店頭に並んでいます。中でもハイブリッドカーなどの人気とともに注目される「低燃費オイル」というオイルがあります。低燃費オイルとは、省燃費オイルとも呼ばれる経済性に優れるエンジンオイルの一種です。今回は低燃費オイルの効果やデメリットについて解説します。

低燃費オイルの効果とメリット

エンジンオイルの主なスペックの違いは、粘度とグレードにより分けられます。ここでは、燃費性能や始動性、走行性能に大きく関係する粘度(オイルの粘りけ=硬さ)について説明します。オイル缶を見ると外側にオイルのスペックが書かれています。「5W-30」を例に挙げます。左側の数字は「低温粘度」と言い、数字が低いほど低温でも硬くなりにくく、低温でも安定した粘度を保ちます。右側の数字は「高温粘度」と言い、数字が高いほど高温での油膜保持性能が保たれます。「W」はWinter(冬)の意味です。具体的には、粘度が低くやわらかいオイルは、エンジン回転の抵抗が少なく、低温時の始動性に優れます。反面、連続した高速走行など、エンジン内部が高温になる状況では、油膜保持性能がやや劣る特徴があります。小排気量や市街地走行を中心とする使い方に適しています。一方、粘度が高く硬い場合は、エンジン回転の抵抗が大きくなる反面、高温時でも安定した油膜保持能力が保てるため、大排気量やスポーツ走行、高速走行を多用する使い方に適しています。低燃費オイルは、「エンジン回転の抵抗を少なくできること」と、「油膜保持性能が高いためエネルギー効率が高い」点が特徴で、低燃費とエンジン保護の両立をバランス良く実現していることが最大のメリットです。また、低温時でもオイルが硬化することなく粘度が低い状態で維持できるため、冬場や極寒地域でもスムーズにエンジンを始動できる点や、低燃費の実現による環境問題への貢献などが低燃費オイルのメリットと言えるでしょう。なお、一般的に低燃費オイルは「0W-20」もしくは「5W-20」を指します。

低燃費オイルのデメリットと購入時の注意点

低燃費オイルは高温時に粘度がかなり低くなるため、古いエンジンや高い粘度を指定された大排気量やスポーティカー、ターボエンジン車、輸入車などには使用しないでください。オイル漏れやオイル保持性能から、オイル潤滑が不十分で、エンジンの破損にもつながる可能性があります。低燃費オイルは、どのような車でも燃費が良くなるという訳ではなく、使用できる車が限定されています。使用可能な車種やエンジンが限定されることが低燃費オイルの大きなデメリットと言えますが、近年注目を集めている「エコカー」などに対しては非常に相性がいいエンジンオイルです。エンジンオイルを選ぶときは、自分の車の車種や使用用途、使用条件、エンジンの状態など様々な観点から専門店のプロに相談し、最適なオイルを選ぶことをおすすめします。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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